きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 関屋記念

2004年にNHKマイルカップ、日本ダービーを制覇し、種牡馬としても多くのG1馬を残し2010年・2011年にリーディングサイヤーにも輝いたキングカメハメハが、8月9日、繋養先である社台スタリオンステーションで亡くなりました。体調が優れないことが多くなり、懸命に治療を行うも残念ながら息を引き取ったようです。ご冥福をお祈りいたします。
先週は札幌でエルムステークス、新潟で関屋記念が行われました。エルムステークスは重賞2着の実績があるモズアトラクションが重賞初制覇しました。また関屋記念は骨折明けの実績馬ミッキーグローリーが優勝。京雅さんからは、この関屋記念の和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

関屋記念 京雅

ご無沙汰さ
馬は完治し
勝ちに行き
いざ上手く攻め
憎いルメール

隠れたメッセージは「ごうかいに さしきめる → 豪快に 差し決める」です。
ご()無沙汰さ(
馬()は完治し(
勝()ちに行き(
い()ざ上手く攻め(
憎()いルメール(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
東西から夏のマイル王を目指すべく精鋭たちが出走してきた関屋記念。人気を集めたのは昨年秋のマイルチャンピオンシップから9カ月の骨折休養明けのミッキーグローリー。ファンにとっても久々、ご無沙汰なレースでしたが、馬は休養を使いすっかり完治した様子。
スタート後はじっくり後方で待機。長い長い新潟競馬場の直線を活かして追い込み勝負に賭けました。直線ではなかなか前が空きませんでしたが、ルメール騎手の左ムチの檄に応えて、完璧なタイミングで外に飛び出し、先に抜け出していたミエノサクシードとソーグリッタリングをラスト30m程で捕らえきる豪快な差し切り勝ちでした。
ルメール騎手とミッキーグローリーとのコンビは、これが3戦目。馬の爆発的な末脚を褒めるとともに、この夏の主戦場としている札幌を離れて駆けつけ、馬のポテンシャルを最大限に発揮させる神騎乗のルメール騎手にも拍手喝采ですね。


ルメール騎手は意外にも新潟重賞初制覇。思い起こせば、JRA通算1000勝を達成した競馬場で「私にとって特別な競馬場」とのコメントを残しております。
そんなルメール騎手、今週は札幌記念で、日本馬の夢を乗せて凱旋門賞に挑戦するフィエールマンに騎乗予定。凱旋門用に向け、どのような競馬をするか要注目です。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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