きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

名馬への敬意

ようこそいらっしゃいませ。

本日は天皇賞(春)です。3200mの長距離決戦。昨年から春の古馬中距離G1として大阪杯が誕生するなど、いまでこそ中距離がデファクトスタンダードとなっていますが、かつて春の古馬頂点を決めるのはこの天皇賞(春)が役目を担っていました。メジロマックイーンにライスシャワー、マヤノトップガンにサクラローレル、ときにイングランディーレやビートブラックの大逃げで大波乱ありと、長丁場ならではのレース駆け引きで数多くのドラマが繰り広げられてきた舞台です。

古馬最強馬決定戦。そのフレーズが強く輝いていた1990年代末。天皇賞(春)で最強を改めて証明したのがスペシャルウィークでした。ひとつ上の世代の最強馬メジロブライトと前哨戦の阪神大賞典で激突。ナリタブライアンvsマヤノトップガンを彷彿させる激突は3/4馬身差でスペシャルウィークが勝利を収め、つづく天皇賞(春)では日経賞から同世代のセイウンスカイが名乗りをあげて、「三強」、レースはその見出し通りの展開となり、勝ったスペシャルウィークが古馬最強として1999年の競馬をライバルとともに盛り上げていきました。

4月27日、そのスペシャルウィークが日高大洋牧場で他界しました。23歳でした。
今年の天皇賞(春)には17頭が出走。シュヴァルグラン、クリンチャー、ガンコ、レインボーラインらが上位人気となっています。混戦、そんな見出しが踊る今年の天皇賞(春)です。人気馬が混戦を断つのか、それとも混戦模様を巧みに操り下位人気馬の下克上となるのか。かつてこの舞台を走り抜けていった名馬へ敬意を払い、あの日のレースを超える激しさ、驚きに満ちたレースを展開してください。

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