きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2018.5.25

中山を彩った名馬たち【21】カラジ
2007年4月14日 第9回中山グランドジャンプ

5月25日は、大橋勇樹 調教師、中川公成 調教師、高木登 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
――好きな馬を一頭だけ挙げてください。
この問に、馬主のみなさんは、どんな馬の名前を挙げるのだろう。愛馬の名前を挙げる馬主さんもいれば、深く競馬にかかわるきっかけを作ってくれた馬の名前を挙げる方もいらっしゃるはずだ。
顕彰馬、GIホース……中には、スポットライトを浴びること無くターフを去った馬、自分の人生と重ね合わせた一頭の馬を挙げる方もいるかもしれない。
「だれもが強いという馬、圧倒的な存在感を持っている馬も好きですが、でも、僕が一番好きな馬は、カラジです!」
現在、テレビ東京で放送されている土曜日の競馬中継、『ウイニング競馬』でMCを務めるジャングルポケットの斉藤慎二氏が、胸を張って答えるのは――中山グランドジャンプを3連覇した稀代の障害馬だ。

イギリスの平地でデビュー。その後、セリで買われて豪州に移籍。メルボルンカップで4着に入るなど長距離戦では健闘したが、再び、障害競走馬のセリに出されなど、自分の道を見出すまでにずいぶん遠回りをした馬だ。
このカラジが、日本にやってきたのは2005年。中山で行われたペガサスジャンプステークスで3着に入り、続く、中山グランドジャンプを制覇。翌年、ゴーカイと並ぶ連覇を達成すると、翌2007年、またしてもカラジは中山の舞台に姿を現した。
レースはいつものように中団で脚を貯め、徐々に進出を開始。最後の直線で先頭に並ぶと、スコット騎手の風車ムチに鋭く反応し、史上初となる3連覇という金字塔を打ち立てた。

役者を目指して文学座へ。しかし道を絶たれた斉藤氏は、サラリーマンに転職。ところが、ここでもその世界に馴染めず、誘われるようにお笑いの道に進み、ここではじめて自分が生きる道を見つけたという。カラジが好きというその心の内側では、きっとカラジが歩んだ道と自分が辿った道がどこかでかぶって映るのだろう。
馬を好きになるきっかけは、そこに100人の人がいたら、100通りの道がある。だから――競馬は面白い。