きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

中山を彩った名馬たち【16】ダンスファンタジア
2011年1月10日 第27回フェアリーステークス

4月20日は、梅田智之 調教師、鈴木孝志 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
父は、イスパーン賞、ジャパンカップなどを制したイタリアのファルブラヴ(サンシーロ競馬場のデビュー戦で手綱を取ったのはミルコ・デムーロ騎手だった)。
母は、桜花賞馬のダンスインザムード。
――どんな走りを見せてくれるんだろう!?
大いなる期待と果てしない夢を背負った初戦は、2010年10月31日東京のメイクデビュー。北村宏司を背に、豪快な伸び脚を披露し、圧倒的な1番人気に応える。
続く2戦目、赤松賞(騎手は横山典弘)では、直線。持ったままの手応えで連勝。レーヴディソールとの全勝対決と騒がれた阪神ジュベナイルフィリーズ(騎手は武豊)は、出遅れと、道中、引っ掛かったために9着に敗れたが、その力を疑うものはいなかった。
そして――。
新たな年を迎えた2011年の初戦。陣営が狙いを定めたのが、このフェアリーステークスだ。コンビを組むことになったのは、アントニー・クラストゥス騎手。人馬とともに、満を持して、この中山に乗り込んできた。
落ち着いているか?
歩様はどうだ?
気合が乗りすぎていないか!?
パドックを周回するダンスファンタジアに、熱い視線が注がれる。しかしこの日の、ダンスファンタジアは、前走、阪神ジュベナイルフィリーズのハイテンションが嘘のように、落ち着き払っていた。
レースは、5ハロン通過が57秒1というハイペースで進行。逃げる馬にとっても、追いかける馬にとっても厳しい展開となったが、その中を悠々と追撃。直線を向くと、一頭だけ次元の違う走りで、中山のゴール板を駆け抜けた。
ダンスファンタジアにとっては、これが重賞初勝利。そして、最後の勝ち星になってしまったが、中山の直線を鮮やかに駆け抜けたあの走りは、いまも色褪せことなくファンの心に記されている。

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