きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

中山を彩った名馬たち【10】スカーレットブーケ
1992年3月1日 第10回中山牝馬ステークス

3月9日は、服部 寿希 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
父ノーザンテースト
母スカーレットインク
栗東 伊藤雄二厩舎
馬主 吉田勝己
現役時代は、重賞4勝を含む通算21戦6勝。
繁殖牝馬となってからは、ダイワメジャー、ダイワスカーレットなど数多くの名馬を産んだ名牝。09年に発行された『優駿』選定による『現代の名牝ベスト100』で1位に輝いたのが……1988年4月11日、北海道千歳市の社台ファームで誕生した女の仔、スカーレットブーケだ。

単勝1.6倍。札幌開催のデビュー戦を圧倒的な勝利で飾り、2戦目の札幌3歳ステークスを連勝(騎手は的場均)。武豊とコンビを結成した桜花賞は4着、優駿牝馬は5着。千田輝彦騎手と挑んだエリザベス女王杯は3着。いずれもあと一歩届かずに涙をのんだが、きれいな栗毛と美しい走りにファンは次第に魅了されていった。

古馬となった彼女が初戦に選んだのは、京都競馬の洛陽ステークス。ここで12着と大敗した後、京都牝馬特別を快勝し、再び東上。舞台として選んだのが……中山牝馬ステークス。デビュー16戦目にして、はじめての中山見参となった。

トップハンディの57kgを背負ったスカーレットブーケは、スタートから3、4番手をキープ。この日、コンビを組んだ柴田政人のGOサインに鋭く反応すると、逃げたカチタガールをあっさりと交わし、後方から詰め寄るユーセイフェアリーを完封。2馬身1/2の差をつけて、栄光のゴール板を駆け抜けた。
21戦の内、中山で走ったのはこのレースと、引退レースとなったターコイズステークス(1着)の2戦だけ。しかし、中山のコースによく映えた栗毛の美しい馬体とともに、その走りは、いまでも、ファンの心に残っている。

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