きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ガリレオ新時代

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今年のヨーロッパクラシックは1000ギニーでアイルランドから遠征した名門オブライエン厩舎のワン・トゥー・スリーという結果に終わりました。1着マインデイング、2着バリードイル、3着アリススプリングスは昨年の最初の2歳G1のモイグレアスタッドSとまったく同じ着順です。素質に恵まれた馬が順調に成長して、相変わらず傑出した実力を見せつけたというところでしょうか。3頭ともにガリレオ産駒というのも驚きでした。昨年のオブライエン軍団もガリレオ牝駒のファウンドがBCターフを制するなど不振の牡馬勢を尻目に気を吐きましたが、どうも昨今のガリレオは牝馬に良駒が多いと感じるのは気のせいでしょうか?牡馬か牝馬か、いずれにせよ確率的にはほぼ2分の1なのですが、相手関係もあることですから、妙に偏る時期があるというのも現実です。

牝馬に優秀な仔が多くなると、彼女たちが繁殖に上がった後の楽しみが大きく膨らみます。今年の2000ギニーを勝ったガリレオゴールドはガリレオの娘の産駒でした。同日に東京で行われた青葉賞をねじ伏せたヴァンキッシュランも母父ガリレオの血統ですね。日本適性に疑問ありとされてきた血が、良馬場の府中を好時計で圧勝するのですから、血統の進化ということも考えていかなければならないでしょう。世界に冠たるクールモアらしく、ガリレオ産駒には、母に飛び抜けて優秀な牝馬が目立つのですが、ヴァンキッシュランの母リリーラントリーもG1オペラ賞などを勝っている飛びっきりの活躍馬でした。父が日本の誇るディープインパクトですから、セレクトセールで2億円近いところまで競り上げられたのも当然だったかもしれません。時代の風向きが、少しずつ微妙に変わろうとしている、そんな気がしないでもありません。

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