きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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実は、ディープインパクトが世界記録に挑戦中です。なんの記録かといえば、新種牡馬の勝ち上がり頭数です。先週まで58頭がデビューして約半数の29頭が勝ち上がり、これは05年のアグネスタキオンの25頭を抜く日本記録です。

ヨーロッパでは今年、イフラージという馬が36頭でインヴィンシブルスピリットの35頭を抜きました。世界記録は昨年のワイルドキャットヘアの39頭だそうです。ちなみに彼の父フォレストワイルドキャットはマイルCSを勝ったエーシンフォワードと同じですね。

これから年内一杯、記録更新のチャンスである新馬戦と未勝利戦は合計で127鞍も残っています。勢いづいている今のディープならやってくれるかも。

それにしても思わぬところで名前が出てくるものですね。ディープ産駒といえば親仔で三冠制覇とか、凱旋門賞とか、うんと壮大な夢を託したくなるものですが、意外な分野で頭角を現すのも彼の偉大さゆえでしょう。

もちろん社台グループを中心とした優秀な牝馬たちが彼の下に集まっている状況が味方している部分もあるでしょう。しかしイフラージとかインヴィンシブルスピリットなどはスピード豊かなスプリント血統を背景にしています。ワイルドキャットヘアは早熟傾向の強いアメリカ血統です。ディープのようなタイプが早い時期から走ってくるのは、驚異的といわなければならないかもしれません。

今から来年以降が楽しみでなりません。その父サンデーサイレンスと同様にいきなりクラシック馬を輩出したり、2シーズン目でリーディングサイアーに輝くかもしれませんね。

日本競馬の未来はこの馬が握っていると思いを込めて良質な牝馬をつけた生産者のみなさんの努力が報われたようで嬉しい気持ちが湧いてきます。こうなれば、ぜひ世界記録を打ち立ててもらいたいです。

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