きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  エリザベス女王杯

11月17日は、菊川 正達 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
エリザベス女王陛下が崩御された年に行われる特別なレースとなった今年のエリザベス女王杯。阪神競馬場にはエリザベス女王陛下のブラッドストック・アドバイザーをされていたジョン・F・R・ウォーレン氏も来日されており、例年と異なる雰囲気を感じました。そのような今年のエリザベス女王杯、レース前の雨の影響で重馬場での実施。馬場への適応力も要求される中、力強く追い込みを決めたのはジェラルディーナでした。

エリザベス女王杯 京雅

リード坂
よき脚使い
うま行くか
決死外出す
強い差し切る

隠れたメッセージは「りようけつ かいかする → 良血 開花する」です。
リ()ード坂(
よ()き脚使い(
う()ま行くか(
決()死外出す(
強()い差し切る(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
ローザノワールが逃げる展開となった今年のエリザベス女王杯。勝ち馬のジェラルディーナは8枠18番から外外を回される展開に。しかし、結果的には雨の影響で荒れた内側に脚を取られず追走できたことで、直線で良い脚を使い、力強く坂を駆け上がり差し切ることができました。距離のロスは覚悟しながらも、無理に内に入らずに外を通る決断をしたC.デムーロ騎手も流石の手腕。タフな戦いとなった最後の直線、決死の追いを見せて、ジェラルディーナを先頭でエスコートしました。

デビュー当初からその血統で注目と期待を一心に集めていたジェラルディーナ。父モーリス(GI 6勝)×母ジェンティルドンナ(GI 7勝)の13冠牝馬として期待され続けたジェラルディーナが4歳秋にして「良血 開花する」レースぶりで、牝馬の頂点に立ちました。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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