きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)  東京優駿・日本ダービー

6月2日は、松山将樹 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
全てのホースマンが夢見る憧れの舞台、東京優駿・日本ダービー(GI)が先週行われました。2019年生まれの7522頭の頂点にたったのは、2歳のマイル王にも輝いたドウデュース。マイルからクラシックディスタンス(2400m)で幅広く結果を出し、能力を存分に発揮しました。覆面歌人の京雅さんからは、ドウデュースが制した日本ダービーの和歌が届きました。和歌(沓冠)に隠れたメッセージを読み解き、お楽しみください。

東京優駿・日本ダービー 京雅

豊背だ
目指すはスター
勝つぞ伸び
納得パワー
馬凱旋よ

隠れたメッセージは「ゆめかなう だーびーよ → 夢叶う ダービーよ」です。
豊()背だ(
目()指すはスター(
勝()つぞ伸び(
納()得パワー(
馬()凱旋よ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
1番人気ダノンベルーガ、2番人気イクイノックス、3番人気ドウデュース、4番人気ジオグリフ、単勝オッズ1桁の4強による戦いと目された今年の日本ダービー。それぞれの思惑が絡む中、4コーナーから直線に向いて4頭が馬場の中程から外に持ち出し抜け出しを図ります。その中で、1番の輝きを放ったのが、ダービーの勝ち方を知る武豊騎手を背にしたドウデュースでした。父のハーツクライは2004年のダービーでキングカメハメハの2着と悔し涙を流しましたが、その父の思いもパワーに変えて直線の坂をかけ上がりました。2歳のマイル王が日本ダービーを制したのは白いシャドーロールの怪物ナリタブライアン以来の快挙。今年の全てホースマンの夢、日本ダービー優勝は、ドウデュースが叶えました。

武豊騎手は、スペシャルウィーク、アドマイヤベガ、タニノギムレット、ディープインパクト、キズナに続く日本ダービー6度目の制覇。オーナーの(株)キーファーズの代表松島正昭氏はかねてより、武豊騎手で凱旋門賞を制するのが夢と、メディアでも語っており、日本ダービー優勝後にはドウデュースで凱旋門賞への参戦も表明しました。ドウデュースと武豊騎手のコンビがフランスの地でも躍動するか、秋の大一番が今から待ち遠しいです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。


×