きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2020.9.10 歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠)　札幌２歳ステークス

先週で夏競馬も終了しました。新型コロナウイルスの影響で無観客での開催となりましたが、競走馬たちは今年も熱い戦いを見せてくれました。覆面歌人の京雅さんからは、あの毛色が記録を達成した札幌２歳ステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。（メッセージの答えは最後に）

札幌２歳ステークス　京雅

疾走し
ロマンの名馬
その脚か
ダッシュ突き抜け
新記録なる
隠れたメッセージは「しろそだし　しばかける　→　白ソダシ　芝駆ける」です。
疾（し）走し（し）
ロ（ろ）マンの名馬（ば）
そ（そ）の脚か（か）
ダ（だ）ッシュ突き抜け（し）
新（し）記録なる（る）

＜京雅さんの和歌【沓冠】の解説＞
過去の優勝馬には日本ダービーを制した馬たちも名を連ねる、来年のクラシックに繋がる一戦、札幌２歳ステークス。白毛馬としてデビュー前から注目を集め、芝の新馬戦を優勝したことで注目度が益々上昇したソダシが４コーナーから早め先頭で疾走し、直線入り口でダッシュ突き抜け、後続を封じ込めて優勝しました。
他の毛色と比べ出生頭数が極端に少ない白毛馬。これまではユキチャン、ハヤヤッコなど地方ダートグレード競走や中央ダート重賞での活躍は目立っていましたが、遂にソダシが白毛馬としてＪＲＡ芝の重賞勝利という新記録を収めました。競馬を血統のスポーツで、その血統にロマンがあると語られることも多いですが、白毛のロマンは、今後、初のＧI勝利やクラシック制覇へと繋がることでしょう。白毛の伝説をこれからも見守りたいですね。

白毛ではありませんが、日曜日に行われた小倉２歳ステークスではメイケイエールが優勝。実はこのメイケイエールの祖母ユキチャンはソダシの母ブチコの姉。メイケイエールの曾祖母とソダシの祖母はともにシラユキヒメという同じ母系出身です。夢物語にはなりますが、メイケイエールも白毛だったとしたら、先週末は白毛馬による初の芝重賞優勝に、“２日間連続”というおまけが付いていたかもしれません。
シラユキヒメから続くこの白毛一族。今後は芝もダートも目が離せない存在となりそうです。

なお、京雅さんより追伸として、下記の和歌が届きました。

白い夢
楽勝と駆け
ゆくよ夏
期待秋へと
飛躍を誓う
隠れたメッセージは「しらゆきひ　めけっとう　→　シラユキヒメ　血統」です。
白（し）い夢（め）
楽（ら）勝と駆け（け）
ゆ（ゆ）くよ夏（っ）
期（き）待秋へと（と）
飛（ひ）躍を誓う（う）

追伸の和歌は普段の前半５文字、後半５文字のメッセージではなく、前半６文字、後半４文字という上級者向けでしたが読み取れたでしょうか。次週もお楽しみに！

※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め（冠）と終わり（沓）に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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