きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 日本ダービー

6月4日は、伴啓太 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
5月最終日となった31日(日)、世代の頂点を決める戦い日本ダービーが東京競馬場で行われました。この世代は7262頭おり、精鋭18頭がターフに集結しました。覆面歌人の京雅さんからは、この日本ダービーの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

日本ダービー 京雅

また勝つさ
競馬抜群
疾走か
ラスト万全
随意にハナへ

隠れたメッセージは「まけしらず さんかんへ → 負け知らず 三冠へ」です。
ま()た勝つさ(
競()馬抜群(
疾()走か(
ラ()スト万全(
随()意にハナへ(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
第87回東京優駿・日本ダービーも引き続き無観客競馬での実施となりましたが、各馬、オーナー、騎手、調教師など関係者の夢を乗せて府中の2400mに挑みます。
この夢舞台を目指して集まった18頭の中から、先頭でゴール板を駆け抜けたのは、無敗の皐月賞馬コントレイルでした。
好スタートから、先団につける抜群の競馬で、直線では追い出しを我慢して、ようやく出た騎手のゴーサインに“待ってました!”とばかりに疾走。騎手の指示に随意に応えて先頭(ハナ)に踊り出ます。レース後には「まだ遊んでいる」と鞍上の福永騎手のコメントがありましたが、それでもラストも万全。皐月賞では、半馬身差だったライバル馬・サリオスとの差は、終わってみれば日本ダービーでは3馬身差に開くほどの完勝でした。
無敗の皐月賞馬ということで、日本ダービーでも「また勝つか!?」と期待が集まりましたが、これで秋の菊花賞では、父ディープインパクト以来15年ぶり負け知らず無敗の三冠馬誕生となるか、京雅さんは、「随意にハナへ」、つまり、「思い通りに菊花へ」と確信しているようですが、秋の楽しみが増えましたね。

鞍上の福永騎手は「遊びながら勝つのですから相当優秀な馬」とも語っているように、まだまだ成長の余地を残しながらの偉業達成。無敗の三冠馬の誕生が待たれます。管理する矢作調教師は、馬の体調を見ながら、となりそうですが「神戸新聞杯→菊花賞→ジャパンカップ」というローテーションを視野に入れているそうで、三冠の先にはアーモンドアイなど古馬との対決も見えてきそうです。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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