きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) マイルチャンピオンシップ

先週はマイルチャンピオンシップが行われました。5頭のGⅠホースの他、重賞でも活躍する全17頭による手に汗握る一戦が繰り広げられました。覆面歌人の京雅さんからは、そのマイルチャンピオンシップの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

マイルチャンピオンシップ 京雅

はじめ馬
ルート見て追い
アッと来る
騎乗も笑顔
伸びて完勝

隠れたメッセージは「はるあきの まいるおう → 春秋の マイル王」です。
は()じめ馬(
ル()ート見て追い(
ア()ッと来る(
騎()乗も笑顔(
伸()びて完勝(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
マイルの頂点をかけた戦いは、春のマイル王安田記念の覇者、インディチャンプが見事、春秋連覇を飾りました。
スタート後は、先行馬3頭とライバル馬ダノンプレミアムを外に臨める内側5番手につけます。
4コーナーの下り坂、外を回ったダノンプレミアムはすんなりと進路を確保しますが、インディチャンプはやや包まれる展開。前が開くのをジッと待ちます。直線、前がバラけると、インディチャンプはダノンプレミアムに馬体を併せるように追い始めます。内でジッと溜めた脚は、ライバル達と一段階違う加速力で、駆け抜けていきます。羽を伸ばしたかの如く、脚を伸ばしたインディチャンプは2着ダノンプレミアムに1馬身半離して完勝。
春の安田記念に続き、秋のマイルチャンピオンシップを制覇。史上7頭目となる同一年マイルGⅠ春秋連覇を飾りました。

鞍上の池添謙一騎手は、本来騎乗予定だった福永祐一騎手が騎乗停止となったことでの代打騎乗。池添騎手は事前に、福永騎手から「ゲートでソラを使う部分がある」とアドバイスを授かっており、インディチャンプの癖をしっかり把握。そのため最後の直線は「ソラを使う前に一気にいこう」と意識したとコメントもありました。調教師の音無先生も池添騎手の騎乗ぶりを「満点ですよ」と称えました。デュランダル、エイシンアポロンで過去に合計3度制した池添騎手の腕とインディチャンプの持てる力が見事にハーモニーを奏でた勝利でした。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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