きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ダービーからダービーまで

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今週はアイリッシュダービー(愛ダービー)が行われます。ヨーロッパ各国のダービーシリーズも、このアイルランドと来週のドイツを残して、いよいよ大詰めですね。愛ダービーは、名門エイダン・オブライエン厩舎が7年連続を含めて過去12勝、1-2-3フィニッシュが5度もある独壇場の観を呈しています。8頭立てとなった今年も内5頭はオブライエン勢で、しかも英ダービー馬アンソニーヴァンダイクを大将格に、4着ブルーム、8着ノルウェー、10着ソヴリンズと実績馬を揃えたラインナップになっています。この常勝軍団に立ち向かうのはダービーで半馬身差の2着だったマドムーン。ブルームあたりとは2歳時から2度対戦して負けていません。難攻不落の常勝軍団の砦を突き崩すとしたら、この馬でしょうか?

今年の英ダービー組はかなりハイレベルです。先週のロイヤルアスコットのキングエドワード7世Sでは、オブライエン厩舎のジャパンが圧勝し、2着もダービーはブービーに敗れたバンコクが死守しました。ダービー組のワントゥーです。ブックメーカーの人気はアンソニーヴァンダイク、マドムーン、ブルームのダービー上位勢に集中して他は離された評価になっています。アンソニーヴァンダイクが勝てば父ガリレオに続いて英愛ダービーのダブル制覇を父子で成し遂げることになります。ブルームも英愛ダービー制覇のオーストラリア産駒で、その父がガリレオですから、父系3代で愛ダービーを戴冠します。マドムーンは秀逸なマイラーだったドーンアプローチの血ですが、その父ニューアプローチは英ダービー馬であり、祖父はガリレオですから、ダービー馬の資格を十分に満たしています。いずれにしろエイダン・オブライエン師が送り出した最高の名馬ガリレオの子孫たちによるガリレオダービーということで落ち着きそうです。

そのダービーの前にレイルウェイSという2歳G2が組まれていますが、このレースにも熱い注目が集まっています。ロイヤルアスコット伝統のG2コヴェントリーSを勝ったアリゾナもそうですが、注目の新種牡馬アメリカンファラオの息子モナークオブエジプトの出走で俄然盛り上がってきました。どちらもオブライエン師の管理馬ですから、ファーストジョッキーであるライアン・ムーアがどちらを選ぶのか?もうそこからレースが始まっています。まさに「ダービーからダービーまで」を絵に描いたような熱い一日になりそうです。

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