きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

種牡馬の新世界地図

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ヨーロッパ競馬は、平地シーズンが閉幕し障害シーズンへとスイッチが切り替わっています。しかし来季の種牡馬ラインナップをめぐるストーブリーグは燃え盛っており、様々な話題が飛び交っています。日本のファンも注目するディープインパクトの英クラシック馬サクソンウォリアーは、アイルランドのクールモアスタッドで繋養され、初年度の種付け料は3万ユーロ≒380万円余に設定されました。ゴドルフィンで供用されるフランケルのトップホース・クラックスマンが2万5000ポンド≒360万円余を少し上回る水準です。英チャンピオンSを2年連続でブッチギリ、ロンジン社レーティング130ポンドと29連勝中の女傑ウィンクスと並んで世界一タイに君臨した強豪と同等以上の評価は、ディープインパクトの血への期待の大きさを物語るものでしょう。

9年連続のリーディングサイアーを確定させている大種牡馬ガリレオは引き続きプライベート設定で種付け料の詳細は不明ですが、ディープの4000万円を超える世界一は間違いがないでしょう。このクールモア勢で躍進著しいのがノーネイネヴァーです。今は亡き名種牡馬スキャットダディの後継馬で、父譲りの早熟性を発揮してブッチギリで新種牡馬チャンピオンに輝き、今年から何と4倍増の10万ユーロ≒1278万円に値付けされました。ガリレオは別格として、今や世界のクールモアのトップサイアーです。今年からクールモアのUSA拠点アシュフォードスタッドで供用されるスキャットダディの不敗の三冠馬ジャスティファイが、いきなり15万ドル≒1700万円の高額フィー。もう1頭のスキャットダディ産駒メンデルスゾーンは自ら価値を上げようと「就活中?」で年明けの高額賞金レース・ペガサスワールドCを使ってスタッドインします。この血統から目が離せませんね。

日本など未発表もあって正確とは言えませんが、現在のところ種付け料世界一はガリレオ、ディープインパクトと続き、次がドバウィの22万5000ポンド≒3300万円、30万ドル≒3400万円で北米チャンピオンだったタピットは来年から22万5000ドル≒2560万円に値下げして、25万ドル≒2800万円のウォーフロント、メダグリアドーロに抜かれます。どうやら種牡馬の世界地図はサドラーズウェルズ、ダンチヒ、ストームキャットなどを経由したノーザンダンサー系、ドバウィに引き継がれたミスタープロスペクター系、そしてディープインパクトに代表されるサンデーサイレンス系の三軸を大きなフレームとして動いていきそうです。

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