きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

伏線がはりめぐらされた前哨戦

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先週は日曜に阪神競馬場でローズステークス、月曜には中山競馬場でセントライト記念と秋のクラシック戦線を占う2つの重要レースが行われました。

ローズステークスではオークス馬ミッキークイーンに桜花賞馬レッツゴードンキが出走。もっか2連勝の夏の上がり馬トーセンビクトリーが間に割って入り人気を形成してのレースとなりました。レースはレッツゴードンキが先手を奪って逃走。桜花賞とは一転、1000m通過を58秒3のペースで逃げて各馬を引っ張り、ミッキークイーンは最後方。その前にタッチングスピーチがつけて4コーナーを曲がって最後の直線での攻防となりました。勝ったのはタッチングスピーチで、残り200mで逃げるレッツゴードンキを交わし、さらに大外から迫るミッキークイーンの追撃を振り切り最後は1馬身半差をつけての勝利でした。2着にミッキークイーン、3着にトーセンビクトリー、4着にはハイペースで逃げながらもしぶとい粘り強さをみせたレッツゴードンキが入りました。

それにしても勝ったタッチングスピーチには驚かされました。ミッキークイーンとは春に忘れな草賞で相まみえるもそのときは1秒3差つけられていた馬です。それがひと夏を越して一転。ひとまわりもふたまわりもスケールアップした走りでした。ミッキークイーンも上がりタイムでは最速でしたし、トーセンビクトリーも初の重賞で力が通用するところを見せてくれました。今回ハイペースでの逃げとなったレッツゴードンキが、距離が200m伸びる秋華賞ではどのような出方をするのかも気になります。今回のローズステークスは、本番へ向けて多彩な伏線がはりめぐらされたようなレースだったように思います。

一方セントライト記念の方は、ダービー2着のサトノラーゼンが7着に敗れるなど人気上位馬が馬券圏内から外れ3連単61万馬券の結末となりました。勝ったのは道中2番手でレースを進めたキタサンブラックで春のスプリングステークスにつづいての中山重賞2勝目です。2着には逃げたミュゼエイリアンが入り、3着には3歳未勝利、500万条件と2連勝で挑んだジュンツバサとなりました。小倉記念2着のベルーフは5着、2番人気に支持されていたブライトエンブレムは10着でした。ただ勝ったキタサンブラックから最後15着のロッカフェスタまで0.9秒差の混戦でしたから、展開ひとつで順位はまた変わってきそうにも思われる結果でした。二冠馬ドゥラメンテがいったん戦線から離れている中、秋牡馬クラシック戦線の主役は神戸新聞杯の結果を待ってからとなりそうです。

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