調教師。騎手。馬券を買う人。
馬主、実況アナウンサー。
そして、スターター。
様々な人の思惑、
推理、強い念が交差する時間。
当コラムは、
発走時刻1分前にまつわるコラムです。
第7回熊江 琉衣 さま
競馬をやるからにはもちろん馬券を買って当てたい。儲かっておいしい夜ごはんを食べたい。
しかし例え馬券が当たらなくても、発送時刻1分前はいつも「歴史的瞬間を目撃できるかもしれない」というワクワクでいっぱいなのです。
馬券にまつわるコラムで、「馬券は当たらなくても良い」と語るのはどうかとも思いますが(笑)ここで読むのを止めないで下さい…。意外と「歴史的瞬間を目撃したい」という私の思いが、馬券的中の役に立っているのです。
私が競馬の世界に踏み込んだのはアニメ「ウマ娘 プリティーダービー」がきっかけで、そこから実際の競馬に興味が出て、初めて予想をしたのが2018年の日本ダービーでした。
ワグネリアンの過去レースに惚れ、「福永ジョッキー悲願のダービー達成なるか」というニュースを見て、「不利な大外から決めて、騎手もダービージョッキーになれたら最高なレースだな〜」と思い、5番人気だったワグネリアンが勝つと予想しました。
結果、見事大外枠からワグネリアンは優勝を果たし、平成時代最後のダービーという記念すべきレースで、福永祐一騎手をダービージョッキーにしました。
しかもダービーは、天才と称されながら、落馬で騎手人生を立たれた福永騎手の父洋一さんが一番勝ちたかったレースだそうです。
なんというドラマを目撃したのでしょう。今まで単なるギャンブルだと思っていた競馬が、実は様々な人達の夢や想いを背負って走ってると改めて実感して、私は今までにない高揚感を覚え、感動しました。
そこからも様々なレースや名馬を目にしてきました。アーモンドアイが世界レコードを出したジャパンカップ。父ディープインパクトと世界初の親子での無敗クラシック三冠を達成したコントレイル。日本馬でディープを唯一負かしたハーツクライの子どもドウデュースが、ダービーでディープ産駒に勝ったり。
思いがけないところで壮大なストーリーが紡がれており、それをずっと追いかけたい、そしてできるならその瞬間を目撃したいと思うのです。
だから馬券を買う時も、こんな感動的なストーリーが見たいな〜と妄想しながら馬券を買っています。やはりそうすると、応援している馬さんが勝って、自分の馬券も当たった時は最高に気持ちが良いんですよね。
皆さんもぜひ、妄想を馬券に組み入れてください。競馬とは、何かしらの感動的なストーリーが自然と生まれるものだと私は思っています。意外と馬券の成績UPにも役立つかもしれませんよ。
※この記事は 2022年11月4日 に公開されました。