発走時刻1分前。
調教師。騎手。馬券を買う人。
馬主、実況アナウンサー。
そして、スターター。
様々な人の思惑、
推理、強い念が交差する時間。
当コラムは、
発走時刻1分前にまつわるコラムです。

第21回黒澤くろさわゆりかさま

女優

やっぱりあの子、追加する!

優柔不断の私が悩んだ結果、発走時刻、1分前にとる行動。

私は馬券を買う前日に過去レースのことやポテンシャルを含めて、この辺りで馬券を組むと考えて当日に臨みます。ですが当日いるんです!パドックを見てみたらピカピカな子、気になる子、以前より準備が出来てきた子。そんな子と出会えた時、私はときめいてしまいます。

競走馬たちは見れば見るほど綺麗だなって思います。
筋肉の質、性格、毛並み。
私から見る馬たちは可愛いというのも勿論ありますが、なんだか凛としていて気高いのです。この子たちはこれからレースに臨むんだ、と思うと私の気持ちはより高まります。

それぞれの馬の個性を見つめながらも、好みの馬体はやっぱりこんな感じだと再確認してみるのも楽しいです。人間にもそれぞれ個性があって好みがある様に、馬の馬体にも個人的な好みがあります。ちなみに私の好みは、腹回りはスッキリしていて腰回りは丸みが感じられ、踏み込みは深くてしなやかな筋肉がある子。勿論これが理想の形ではありますが、それ以上に、牝馬で少し胴が短く小ぶりなタイプが現れてしまうと、強いかは一旦置いておいて、アイドルの推しを見つけた様な気分になってしまいます(笑)。

なぜこんなにもパドックを重要視するのか。それは私の競馬との出逢いがパドックキャスターだったからです。

当時、色々な記者の方に教えていただきました。
「なぜそう思ったのか?」
「どのポイントを見ているのか?」
毎日の問いかけに優しく付き合ってくださった記者の皆様には本当に感謝です!

そこから自分なりの見解が積み重なって、好みもできて、たくさんの思い出ができました。そしてより一層パドックを見るのが好きになりました。なので、そこに当初の予定では無かったハマる子を見つけた時、今回のレースもしかして!と思ってしまうのです。

ただ、馬券を買うにも予算があります。前走の結果を考えると悩ましい子も正直います。ここにどう組み込んで追加しよう? 別でパドック枠として買っておきたいけど、ここで入れるとガミってしまうなとか(笑)。なんて考えていると時間はあっという間に過ぎていきます。でも結局最後にはやっぱり追加する!って、どんな形であれ追加するのです。

さあ 発走時刻、1分前。

私も、きっと、追加したあの子も、覚悟を決めてレースに臨む。
色んな人の想いを乗せて!
このドキドキがたまらない。
あの素敵な馬体が駆け抜けて行く姿を想像して!

今日も競走馬たちは私に夢を見せてくれます。

※この記事は 2023年8月25日 に公開されました。


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