調教師。騎手。馬券を買う人。
馬主、実況アナウンサー。
そして、スターター。
様々な人の思惑、
推理、強い念が交差する時間。
当コラムは、
発走時刻1分前にまつわるコラムです。
第4回須田 鷹雄 さま
どれだけの人に共感してもらえるか分かりませんが、「締め切り直前にマークカードを塗り間違えて焦る夢」って見ませんか? 何度も塗り間違えながら、締め切りベルに怯えるという夢。
私は見ます。年に2,3回は見ます。そうまでして馬券を買いたいのか、と夢の中の自分に問いたいところですが、まあ、そうまでして買いたいんでしょう。
そんな夢がどんな深層心理を表しているか……などと分析する必要はありません。私はなんの検討もしていないレースを勢いだけで買うのがけっこう好きで、そういう時にはたいがい締め切りが近づいたタイミングで急に着手しているわけです。塗り間違えないにしても、焦りながらマークカードを塗る作業は実際にやっているので、その失敗バージョンが夢に現れるのでしょう。
もちろん、仕事で予想をするレースはとことん検討しています。だからこそ、それ以外のレース、プライベートの馬券では仔細な検討から解放されて、えいやっ、と買ってみたくなるし、それが楽しかったりするんです。
個人的には「1分馬券選手権」という馬券大会を開催してみたいくらいです。全く予習していないところからいきなり競馬新聞を渡されて、そこから1分でどんな馬券を買えるか、それがどの程度当たるかという大会です。
芝なら開幕週の内枠ボックス、最終週の外枠ボックスなんかもよいでしょう。騎手名とオッズだけで脈のありそうな馬をピックアップするとか、シルシのばらつき加減だけを見て組み立ててもいいかもしれません。競馬新聞の中から脚質欄や展開予想図だけを見て逃げ先行馬から流すといった手もありますし、なにかしらそそられる条件に合う馬を軸にしてもよいと思います。「内枠の和田竜二」とか「△2個だけの江田照男」とか、そこはお好みで。
よかったらぜひやってみてください。時間をかけずに、本当に締め切り1~2分前から着手してみるほうがよいです。いままでの自分では買えなかったような馬券を買えたりします。うまくすると穴馬券的中につながるかもしれません。
副作用として、私のようにマークカードを塗り間違える夢を見るようになったり、あるいはスマッピー投票の操作を間違える夢を見るようになったりするかもしれませんが、それはまた別の話ということで……。
※この記事は 2022年9月2日 に公開されました。