調教師。騎手。馬券を買う人。
馬主、実況アナウンサー。
そして、スターター。
様々な人の思惑、
推理、強い念が交差する時間。
当コラムは、
発走時刻1分前にまつわるコラムです。
第5回福原 直英 さま
30年勤めたフジテレビを卒業してはや半年ほど経ちました。文字通りフリーの身ですので正直不安もありましたが、競馬界の皆さんから多くのご縁をいただき無事に生き抜いております!
さて今回いただいたテーマ「発走1分前」その時の心境を言葉にすれば…お願い!今度こそ当たって!
ミスターシービーのダービーを見たことに始まる私の競馬歴。もう40年になりますが一向に予想も馬券も成績が上向きません。最近はJRA VANのコマーシャルを見るたびに自分事としてうなだれてしまいます。「なーんとなくじゃ」「人に左右されてたら」うまくならないよ、競馬。そうなんですよね。わかっていますとも。
そんな状況下でも予想の流儀的なものは持っていて、それは【パドックを見る】ということ。ここで馬たちの様子を観察して、どれが勝つのか見極めたいのですが…「パドックを見てもわからないでしょう?」そう言うのは他でもない武豊騎手です。やっぱり跨って走らせないとその辺はわからないのかなあ。でもそんなことは不可能。となると何が予想を決定づけるファクターとなり得るのでしょうか。
先日、ある人からケータイの画面を示されました。そこには天皇賞・春の馬券の写真。
枠連8−8一点のみを5万円…調べてみれば4.5倍、払い戻しが20万円を超えてる当たり馬券じゃないですか!こんな大勝負をするとは思えない風貌、そして競馬はG1レースくらいしか見ないし買わないとのこと。なぜこの馬券をしかも一点で当てられたのか?尋ねたところで決して競馬通ではないゆえ、戦績や血統や馬場の傾向なんて話は出てきません。聞きながら私は考えました。彼は8−8で決まる「匂い」を感じたのではないか。理屈うんぬんを超えたところでどこからか漂ってくる匂いを感じ取ったことが彼に的中をもたらしたのではないか、と。
理詰めでその通りの結果、というケースもあるでしょうが競馬は不確実な要素がワンサカ詰め込まれるゲームでもあります。ジーッと馬を見つめることも大切にしながら、その空間にどんな匂いがしているか?ヨシ、これからの馬券作戦には嗅覚も取り入れたいと思います!
※この記事は 2022年9月22日 に公開されました。