発走時刻1分前。
調教師。騎手。馬券を買う人。
馬主、実況アナウンサー。
そして、スターター。
様々な人の思惑、
推理、強い念が交差する時間。
当コラムは、
発走時刻1分前にまつわるコラムです。

第2回岡部おかべ玲子れいこさん

グリーンチャンネル キャスター

「間に合った!買えた!」発走1分前ギリギリに馬券を買うことができてホッとしている自分に、未来の自分からメッセージを届けられたらいいんですけれど…。「その馬券…ハズれていますよ。」と(笑)。何事も最悪のことを想像してから取りかかるネガティブ人間が、レースの前になるとハズレることなんて考えていない、スーパーポジティブ人間になれちゃうんですから…自分でも驚きます。

 競馬開催日前日に競馬新聞を購入してからは、ひたすら赤ペンを片手に「予習」という名の予想。馬柱はもちろん、調教欄や関係者コメントなどチェックして、新聞には載っていない過去の成績などはインターネットやアプリでチェック!私の競馬の師匠である長谷川雄啓さんから教えて頂いた勉強のポイント「人気馬の不安点と人気薄の長所」を意識しながら一頭一頭をじっくりと見ていきます。そんな中で、新聞の印は薄いけれど面白そうな出走馬を見つけた時の興奮といったらもう…ニヤニヤが止まりません。

 レース当日になると、今度はオッズを見て一喜一憂。思っていたよりオッズがつかないと、より高配当になる買い方に変えてみたり、軸馬を変えてみたり。高配当を狙ったところで、当たらなければ意味がないことはわかっているんですけれど、こんなふうにオッズに振り回されて目の前の予想に集中している時間が、とっても楽しいんですよね。プライベートで競馬を楽しんでいる日はとにかくギリギリまで迷うので、一緒に競馬を楽しむ家族からも「早くしないと締め切られちゃうよ!」と注意されるのが週末の定番(笑)。

 スタジオにあるアナログ時計の秒針を横目で見ながらレースまでの時間を意識しつつ、焦る気持ちを抑えながら言葉を繋いでいく競馬中継中の発走1分前とは正反対ですが、どちらの「発走1分前」も私にとっては最も刺激的で心臓の音が高まる瞬間なのです。

※この記事は 2022年7月22日 に公開されました。


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