きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイからの手紙

ようこそいらっしゃいませ。

来月26日に迫ったドバイワールドCデーへの招待状がボチボチ届き始めたようです。招待受諾を確実なものにし、より魅力的な顔ぶれを揃えるために、一頭一頭慎重に事を運ぶようですから、インヴィテーションカードの発送もさみだれ式になります。仕方がないことなのですが、招待を待つ身にはヤキモキさせられる数週間を過ごすことになります。ワールドCへの挑戦を熱望しているホッコータルマエ陣営のように、今週のフェブラリーSに出走すべきか否かで頭を悩ませれる事態も生まれきます。馬の調整に努める調教師さんには胃の痛くなる数週間でもあります。

招待受諾第1弾はシーマクラシックを目指すドゥラメンテ、UAEダービーに野心を燃やすユウチェンジの2頭だそうです。ドゥラメンテはドバイに実績のある日本の二冠馬でレーティング的にも世界レベルに達していますから、どの国のホースマンにも異存のないところでしょう。ちょっとサプライズだったのはユウチェンジでしょうか。管理する森秀行調教師は海外遠征歴も豊富で国際的にもよく知られたホースマンですが、馬自身はまだ1勝の身でダートも未経験という謎のベールに包まれた(?)存在です。

父スウィフトカレントは5年前のワールドCの覇者ヴィクトワールピサの半兄という血統ですから、このあたりがアドバンテージになったのかもしれません。かつてドバイのレースを勝ったアドマイヤムーンやユートピアがダーレー・ゴドルフィングループに高額トレードされたように、ドバイでの走りっぷりを高評価するお国柄ですから、ありそうな話という気もします。でも、スウィフトカレント自体は交流重賞にも出走しているとはいえ、イメージとしてはダイワメジャーの2着した天皇賞秋の激走が強烈です。芝の中距離ホースです。その息子ユウチェンジがメイダンのダートでどんな走りを見せるのか?競馬は過去の実績が走るわけじゃないので、招待された以上はベストを尽くしてくれるでしょう。未知の魅力というのも悪くはないものです。

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