きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

世界一のG1レース

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高級時計で有名なロンジン社は、昨年のジャパンCにも協賛してくれたように、世界各地で様々な分野において競馬に協力してくれています。香港国際G1シリーズ、ドバイワールドCミーティング、ブリーダーズCデーなどの公式計時にはロンジン社製の時計が使われていますが、もう一つ有名なのが世界のサラブレッドのレーティングによるランキングを提供してくれていることです。昨年の世界一ジャスタウェイはロンドンの高級ホテルでの同社主催の表彰式に招待されて、須貝尚介調教師、福永祐一騎手、馬主さんともども王者の尊厳と矜持を実感しています。

この他同社は世界のG1レースのランキングづくりにも力を注いでいます。パート1国が中心になるのですが、世界の全G1の1~4着馬平均レーティングの過去3年のアベレージによって格式の重さを割り出そうという試みです。世の中には誰もが得心する完全無欠なランキングなどありませんから、異論もいろいろあるようです。でも庶民に競馬を身近なものにする分かり易さは貴重なものだと思います。レースレーティングのレベルを高めるには、レーティングの高い馬、つまり強いとされる馬を集めることが前提です。そこには賞金であるとか、歴史や伝統に支えられた格式とか、目には見えにくい部分も含めて低くないハードルが存在します。主催者の努力も無論ですが、欧米ではスポンサー企業・団体の役割が非常に大きくなっています。

ちなみに現在のG1レースで世界一と評価されているのは、イギリス・ヨーク競馬場で行われている10FのインターナショナルSです。フランケルのオーナーブリーダーとして知られるカリド・アブデューラ殿下率いるジュドモントファームがスポンサードするレースですが、同ファームは毎年のように所有する有力馬を積極的に送り込んでレースの盛り上げに力を尽くしています。もちろんフランケルもその一頭でした。今年はタイムテストというドバウィの上がり馬が、レーティング世界一ゴールデンホルン、英愛2000ギニー制覇のスピードチャンピオン・グレンイーグルスの高い壁に挑みます。ダービーとギニー王者の対決に加えて、新星のチャレンジという楽しみも加わりました。来週19日開催のプレビューは明日お届けすることにします。

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