きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ダービーの結末を変える役者たち

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土曜、阪神競馬場では芝2400mのアザレア賞が行われました。勝ったのは単勝2.4倍の1番人気に支持されたレーヴミストラルで、直線で末脚を伸ばし上がり34秒0でサンライズセンスを捉えて最後は1馬身差をつけての勝利でした。レーヴミストラルはデビューから2戦こそ4着、2着だったものの、前走の未勝利戦につづいてこれで2連勝となりました。

レーヴミストラルは父キングカメハメハで母はレーヴドスカーの血統になります。母のレーヴドスカーは、ファルブラヴとの交配でできた仔レーヴダムールはデビュー2戦目で阪神ジュベナイルフィリーズで2着し、その翌年の仔アプレザンレーヴは父シンボリクリスエスで青葉賞優勝、さらにその次の仔レーヴドリアンは父スペシャルウィークとの間に産まれた仔できさらぎ賞2着に京都新聞杯で3着し、アグネスタキオンとの交配で産んだ仔レーヴディソールは、デイリー杯2歳ステークス優勝から阪神ジュベナイルフィリーズを制して2歳最優秀牝馬に輝き翌年のチューリップ賞も制覇しています。優秀な仔がつづけて産んだレーヴドスカーが、今年の3歳世代に送り出したのがレーヴミストラルです。これからどこまで成長を遂げてくれるでしょうか。

また同じ日に中山競馬場では芝2200mの山吹賞が行われました。こちらは4番人気のレッドライジェルが最後方追走から最後は豪快な追い込みを決めて勝利をあげました。レッドライジェルは父ディープインパクトで母はサセッティになります。半姉には阪神ジュベナイルフィリーズで3着したのレッドセシリアがいる血統です。レッドライジェルも前走の未勝利戦につづいてこれで2連勝となりました。

それにしてもレッドライジェルの走りには驚かされたというか衝撃的でした。
前走の未勝利戦もそうでしたが、今回も最後方を追走し最後は直線一気でごぼう抜きでの勝利です。未勝利戦のときは他馬が上がり36秒台の中を1頭レッドライジェルだけ上がり34秒台の末脚を披露すれば、今回の山吹賞では4コーナーでまだ最後方の位置取り、さらに大外をまわりながらも最後は33秒台の末脚で全馬抜き去っての勝利です。あの位置取りで、しかも中山の坂を駆け上がり全馬ごぼう抜きし、今回は上がりタイム33秒7です。デビューから初勝利までは4戦を要したものの、才能を開花させたようなそんな感じもする走りでした。

3歳牡馬クラシック戦線の話題はこれから皐月賞中心で盛り上がっていくのでしょうが、それとは違った道ではクラシックの結末を変える役者たちがダービーを見据えて動き出している、そんなことを強く感じさせられた一日になりました。

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