きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) レパードステークス

8月11日は、友道康夫 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
35度を超える茹だるような暑さが続いている今日この頃。人も馬も熱中症には注意したいところですね。
さて、先週は気温にも負けぬ熱いダートの戦いが繰り広げられました。新潟で行われたのは3歳ダート重賞のレパードステークス(GIII)。覆面歌人の京雅さんからは、このレパードステークスの和歌が届きました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

レパードステークス 京雅

並びなお
次ついて行く
伸び差した
すぐ叩き合い後
なんと興奮

隠れたメッセージは「なつのすな おくたごん → 夏の砂 オクタゴン」です。
並()びなお(
次()ついて行く(
伸()び差した(
す()ぐ叩き合い後(
な()んと興奮(


<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
今年で14回目を迎えたレパードステークス。数ある重賞の中では歴史はまだまだ浅いながらも、貴重な3歳夏のダート重賞。秋には古馬との戦いを控える中で、ここで賞金加算を、、、と目論む馬も多いでしょう。
今年のレパードステークス、最後の直線は見どころ十分な三つ巴。逃げ馬をいち早く捕らえた1番人気のタイセイドレフォン。そこに襲い掛かるは香港の名手・C.ホー騎手鞍上のカフジオクタゴン。さらに外からリステッド競走でも優勝経験のあるハピが強襲。
カフジオクタゴンは、タイセイドレフォンの後(次)を付いて行きながら併せ馬の形で叩き合いに持ち込むと、脚をもうひと伸びさせてタイセイドレフォンの前に躍り出ます。さらに、外のハピも封じ込め、夏のダート重賞を制しました。
C.ホー騎手は短期免許で来日し、すぐに重賞制覇という結果を残し、本人も競馬ファンも興奮の走りを見せてくれました。

芝の競走と比して、ダートは特に2.3歳時のレース選択が難しいとされていましたが、2024年からは、これまで地方競馬で行われていた羽田盃、東京ダービーを新たにダートグレード競走のJpnⅠに格付けし、ジャパンダートダービーと併せて3歳ダート三冠競走を創設することとなっております。今後、より一層、ダート馬の活躍の舞台も広がってくることでしょう。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。一昨年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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