きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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20日に中山競馬場で行われたAJCCでは、レース後にしばらくしてから灯った審議のランプに戸惑いを覚えたファンも多かったのではないでしょうか。

最後の直線で勝ち馬のダノンバラードが内に斜行し、直後にいたトランスワープの前に切り込みました。昨年までならこの直後に審議のランプが灯ったでしょう。今年から降着・失格の基準が変わったことで、到達順位通りダノンバラード1着、トランスワープ2着で確定しました。

昨年までの基準は「走行妨害が、被害馬の競走能力の発揮に重大な影響を与えたかどうか」でした。記憶に新しいのは2010年のジャパンカップで1着となったブエナビスタはこの基準により、2着に降着となっています。少し古くなりますが1991年に天皇賞(秋)で6馬身差をつけ圧倒的な差を魅せたメジロマックイーンも、このルールによって18着に降着となりました。

今年からは「走行妨害がなければ、被害馬が加害馬より先に入線していたがどうか」がポイントになり、今回はダノンバラードとトランスワープの1対1の関係で、ダノンバラードの直線でのパフォーマンスが上と判断がなされそのまま順位が確定、ベリー騎手へは開催日6日間を含む16日間の騎乗停止が下りました。

この判定に中山競馬場へ60本近い苦情が寄せられたようです。異議申立てによって審議のランプが点灯したのはダノンバラードがゴールしてから約10分後でした。騎手の処分が下るほどの鞍上だったのですから、審議のランプは早めに点灯させ、状況をアナウンスするのが親切だったのではと思われますがいかがでしょうか。

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