きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

仰天G1、2000万馬券

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今年で10回目のヴィクトリアマイルは仰天の結末となりました。
中山記念を牡馬G1馬相手に完勝した昨年のオークス馬ヌーヴォレコルトが単勝2.2倍で1番人気に支持され、牝馬重賞3つ勝っているディアデラマドレが5.5倍で2番人気、阪神ジュベナイルフィリーズ馬で復権を期待されたレッドリヴェールが7.8倍で3番人気で上位人気を形成してレースを迎えました。レースは大外に入ったミナレットが好スタートから先行、そのままハナに立ち逃げをうっての前半でした。スタートから600mの通過が34秒3、例年とあまり変わらずのペースでしたが1000mの通過が56秒9とペースがあがり、見れば後続から大きく離れての逃げとなっていて、残り600m通過あたりでは後方に5、6馬身以上突き放し、縦長の展開となって最終直線を迎えました。

ミナレットは単勝291.8倍で出走馬18頭中18番人気の馬で、直線残り400mでもまだ後続に4馬身ちかく差を広げてのリードとなっていました。残り200mは、どよめき、驚き、ざわめき。ゴールに近づくにつれ、後ろからこちらも人気薄12番人気のケイアイエレガントが迫ってきて、さらに仰天。もちろんミナレットにケイアイエレガントといずれの馬券は手にしていないのですが、ゴールまでわずか数秒の間、ダイタクヤマト、テンジンショウグンにアメリカンボス、あるいはかつての超がつく波乱レースの記憶が入り混じり言葉にならない興奮に襲われました。

勝ったのはゴール直前でアタマ差前に出た5番人気のストレイトガールで、2着ケイアイエレガントが入り、3着にはミナレットが逃げ残り、1番人気のヌーヴォレコルトは6着の結果でした。
払い戻しは3連単 2070万5810円、3連複でも 286万480円でした。もちろんG1史上最高配当です。それまでのG1最大の波乱は2008年ブラックエンブレムが勝った秋華賞で、11番人気、8番人気、16番人気の決着で1098万2020円の配当でしたから、今回はそれを大きく上回る結果となりました。JRA史上最高配当は2012年8月新潟での新馬戦で、このときの波乱の立役者も今回3着に入ったミナレットでした。新潟新馬戦では17頭中14番人気のミナレットが優勝、2着同着で12番人気ヘイハチピカチャン、10番人気ファイヤーヒースが入り、3連単2通りの払い戻しのうちひとつが2983万2950円となりました。

今年のヴィクトリアマイルで多くのファンが期待していたのは強き新女王の誕生だったことでしょう。
期待とは裏腹の結果となりましたが、されどこうして陰に隠れた馬が突然にして主役へと躍り出て、想像を超えた物語で周囲を仰天させるといった、競馬の持つひとつの魅力を改めて感じさせられたレースとなりました。

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