きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

2つのリベンジ

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日曜東京競馬場で行われた優駿牝馬オークスは、1番人気のソウルスターリングが優勝、阪神ジュベナイルフィリーズにつづいて2つ目のG1タイトルを手にしました。レースはフローレスマジックが先手を奪って先頭に立ち、同じく馬場内側から好スタートを決めたソウルスターリングは3番手を追走。ペースは落ち着いて1000m通過1分1秒7で通過し、ソウルスターリングが最終コーナーで徐々に進出し、最後の直線では馬場中央に位置取り、ムチが入ってからひと伸びして内側で早め先頭で粘るモズカッチャンをあっさりと1馬身3/4交わしての勝利でした。勝ち時計は2分24秒1。2012年ジェンティルドンナの2分23秒6には及ばなかったものの、それでも十二分に強さと速さを感じさせた内容でした。2着には6番人気のモズカッチャンが残り、3着には後方から追い込んできたアドマイヤミヤビが入った結果となりました。

それにしてもソウルスターリングは改めて強い、そう実感させられたレースでした。桜花賞こそいいところなく3着に終わったものの、あの桜花賞はやはり馬場が堪えたのでしょうか?これが本来の私、と言わんばかりの走りでした。鞍上のルメール騎手は先週のNHKマイルカップにつづいてG1・2連勝。管理する藤沢和雄調教師は、ちょうどオークスが重賞100勝となりました。

藤沢和雄調教師でオークス1番人気というと、2004年のオークスをどうしても思い浮かべてしまいます。父サンデーサイレンス、母はダンシングキイで、オークスにエリザベス女王杯を制覇しているダンスパートナーに菊花賞馬ダンスインザダークを全姉、兄に持ち、無敗で桜花賞を制覇し、その年のオークスはダンスインザムード一色となりました。事前に体調面での変化も見られていたものの、競馬には絶対がないけどダンスインザムードは絶対との見出しまで紙面を飾り、当日の単勝人気は1.4倍。しかし結果は勝ち馬ダイワエルシエーロから0秒6離されての4着に終わり、場内騒然となったレースでもありました。
そのダンスインザムードを管理していた藤沢和雄調教師が、今回ソウルスターリングをオークスに送り込み、人気に応えて見事女王へと導きました。桜花賞3着の借りを返したの1つ目のリベンジならば、もう1つはあの14年前のオークスのリベンジと、2つのリベンジがこのレースにはあったように思います。

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