きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

青葉賞が持つミステリー

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土曜東京競馬場ではダービートライアルの青葉賞が行われます。2着までにダービーへの優先出走権が与えられます。青葉賞は今年で23回目を迎えるレースです。ダービー指定レースとして創設され、2009年までは1〜3着馬までにダービーへの優先出走権が与えられていました。
青葉賞には1つのミステリーがあります。ダービーと同じ東京2400mを舞台にして競われているにもかかわらず、これまでまだ青葉賞を経由してのダービー馬は誕生していません。1990年代には菊花賞馬レオダーバン、2000年に入って以降も、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、フェノーメノ、天皇賞(秋)2着のペルーサなど、これだけの名馬を優勝馬にしていながらダービー馬に前走青葉賞が刻まれることはありませんでした。

あと1歩に迫るシーンは幾度となくありました。
古くは1986年に青葉賞2着からダービーへと向かったグランパズドリームはダイナガリバーの1/2馬身差まで迫りましたし、1989年の青葉賞優勝馬サーペンアップは最後方から強烈な追い込みを決めるもウィナーズサークルに届かず0.1秒差の3着でしたし、1991年の優勝馬レオダーバンはトウカイテイオーの2着、1994年の優勝馬エアダブリンはナリタブライアンの2着、2002年の優勝馬シンボリクリスエスはタニノギムレットの2着、その翌年の優勝馬ゼンノロブロイもダービーではネオユニヴァースに半馬身差の2着、2004年の優勝馬ハイアーゲームはキングカメハメハの3着で、2006年の優勝馬アドマイヤメインはメイショウサムソンの2着、2011年の優勝馬ウインバリアシオンはオルフェーヴルの2着、2012年の優勝馬フェノーメノはディープブリランテの2着、2013年のダービーで3着のアポロソニックにしろ2014年ダービー3着のマイネルフロストにしろいずれも青葉賞を経由してのダービー出走でした。

今年の3歳クラシック戦線を振り返ると、牙城高しと思われていたマカヒキ、リオンディーズ、サトノダイヤモンドの三強に強烈な一矢でディーマジェスティが風穴をあけたことで、三強が絶対無双ではなく成長力次第では勢力図を一気に塗り替えられるのではとの思いも浮上することとなりました。されど皐月賞の勝ちタイムが1分57秒9の皐月賞レコードでハイレベルであることにはかわりなく、青葉賞からダービー馬を出すには今年は例年以上に高いポテンシャルが求められるレースになりそうです。今年こそ青葉賞が持つミステリーを解き放ってほしいとレースへ期待を込めるのですが、今年はどうなるでしょうか。

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