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【第3回】ロンシャンに咲くスミレの花(後編)

ゲスト 中山馬主協会最高顧問・和泉信一さん 【第3回】ロンシャンに咲くスミレの花(後編)

きょう、いよいよ凱旋門賞のゲートが開きます。 これまで1969年のスピードシンボリにはじまって 8頭の日本調教馬がこの世界最高峰に挑戦しています。 ナカヤマフェスタ、ヴィクトワールピサで10回目のチャレンジ、世界中をアッといわせるようなレースを見せてほしいものです。

――〝チームすみれの花〟は、1999年の凱旋門賞で当時のヨーロッパ最強馬モンジューにあわやの2着と接戦を演じたエルコンドルパサーの二ノ宮敬宇調教師、蛯名正義騎手など多くのスタッフが加わっています。楽しみが膨らみますね。

『そう、二ノ宮には経験があるからね。そこんところが頼りだね。二ノ宮の勧めでフェスタを買い、彼の強い意志でG1をまだ勝っていないころに凱旋門賞にこの馬を登録した。

これはもう最後まで二ノ宮を信じるしかないでしょう。〝チームすみれの花〟を信じて、全部まかせていますよ』

――オーナーの願いはどのあたりにあるのでしょうか。

『サラブレッド・オーナーの定義はいろいろあると思うけれど、単純に言ってしまえば、フェアな条件下で正々堂々と賞金を取り合うことでしょう。

海外は4着までしか賞金が出ないと聞いたので、なんとかそこまでは頑張ってほしい。3着だったら大成功でしょう。相手もあることだし、ワールドクラスの強豪ばかりだから大きなことも言えませんが、参加するだけじゃわざわざ行く値打ちはないでしょう。

宝塚好きだった娘の馬が、宝塚記念に勝って、フランスびいきだった娘の憧れだったロンシャンにやってこられた。それだけで十分すぎるんですが、これと勝負は別物ですから、ぜひ賞金を持って帰りたいと思っています』

※この記事は、2010年10月3日に公開されました。


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