馬事叢論 活動報告、提言など

第4回「懐かしのケンタッキー(前編)」

アメリカで見たこと考えたこと 第4回「懐かしのケンタッキー(前編)」

“競馬不況”に真っ向勝負を挑むモンマスパーク競馬場、 大きな感銘とさまざまな教訓を胸に刻みながら、 一行は“サラブレッドの故郷”ケンタッキーへと向かいます。 最初に訪れたのは名門中の名門、ヒルンデイルファームです。

あいにくと朝から降りつづいていた小雨があがると、車窓の向こうにケンタッキーの緑が広がります。
雨露にしっとり濡れた芝が濃緑のカーペットとなってどこまでも伸びていきます。見事としかいいようのない光景です。

訪問先のヒルンデイルファームは、馬産地ケンタッキーの中心であるレキシントンにあります。

日本にヒシアマゾンを送り込んでくれた名種牡馬シアトリカル、4戦4勝でブリーダーズCジュベナイルを制し、史上初の不敗の三冠馬に輝いた父シアトルスルーの後を襲うかと期待されたヴィンディケーションなどを繋養。1シーズンだけですが人気種牡馬メダグリアドロもいて、そのときの産駒が女傑レイチェルアレクサンドラです。

さて、現在のラインナップはというと、この日は4頭の種牡馬に出会うことができました。

最初に引き出されてきたのはローマンルーラーでした。モンマスパークの名物G1ハスケル招待Hを制した強豪です。
父が日本人馬主でケンタッキーダービーを勝ったフサイチペガサスということもあって親しみが増します。
半兄エレコレドールもここに繋養されていて、ステークスウイナーを続々と輩出するなど活躍しています。

次のゼンセーショナルはスプリント路線の活躍馬。昨年、G1を3連勝してブリーダーズCスプリントで堂々の1番人気に推された快速馬です。
惜しくも小差の5着に敗れましたが、その傑出したスピードを買われてのヒルンデイル入りでしょう。

実績ではミッドナイトルートが上位でしょうか。
07年と08年のブリーダーズCスプリント連覇の猛者ですね。

このミッドナイトルート、ゼンセーショナル、エレコレドールなどヒルンデイルのラインナップはスプリント志向が目立ちます。
日本同様にアメリカのスプリント界も層が薄く元気がないといわれている昨今の状況に喝を入れたい!
そんな思いがそうさせているのでしょうか。

次に一行の前に現れたサラブレッドの姿に『オッ!』とどよめきの声があがりました。
そのサラブレッドこそ・・・・・。

※この記事は2010年10月19日に公開されました。


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