将棋棋士の渡辺明です。よろしくお願いします。現在38歳の私の競馬との出会いは中学生の時にゲーム「ダービースタリオン」が流行ったことがきっかけでした。初めて見たダービーは1998年のスペシャルウィークで、それ以降は競馬を見るのがライフワークになって、現在に至ります。
伝統的に将棋界は競馬が好きな人が多いです。勝負事が好きというのもありますし、読む、決断する、結果が出る、それの繰り返しという作業が将棋と同じだからでしょうか。競馬が趣味だと言うと「将棋と競馬はどっちが難しいですか?」とよく聞かれるのですが、私は競馬だと答えます。将棋は1対1で戦い、全ての情報がオープンになっているゲームなので偶発的な要素はほぼ、ありません。競馬は最大18頭の馬と騎手の思惑がぶつかり合い、力関係や展開だけでなく天気や目に見えない馬の調子など、判断材料がたくさんあってかなり複雑だと思います。だから、面白くて予想に1時間、2時間と考えて込んでしまうんですけども。
将棋界と競馬界の交流は古くからあったようで、私も東西のトレセン将棋部に指導対局に行くのがコロナ禍の前は恒例でした。美浦トレセンの将棋部で部長をされていた元調教師の和田正道先生にはオジュウチョウサンの放牧先でもある先生の牧場へ遊びに行かせていただくなど、大変お世話になっております。
将棋界ではこの数年、AIを用いての研究が当たり前になったことで、それ以前とは比べ物にならない勉強時間が求められています。前ほど競馬に割く時間がないのが悩みの種ではあるのですが、生涯の趣味として続けていくつもりです!
第1回 渡辺 明 さん(将棋棋士)
次回は、、、。
阿久津 主税 さん(将棋棋士)です。
次回のリレーコラムは、
渡辺 明 さんからのご紹介で、
阿久津 主税 さんです。
お楽しみに。
※この記事は 2022年6月26日 に公開されました。