第9回
初勝利
エコルフリューゲル
鈴木昌樹さん

初勝利おめでとうございます!

4月30日の福島4レースで初勝利となりました!
勝利の瞬間を振り返っていただけますでしょうか?

はい!スマートフォンのグリーンチャンネルの画面で見ておりました。
家族3人で見ていて、もう最後は絶叫ですよね!
ちょうど良い感じで追い込んで来てくれたので「行け!」と大騒ぎして、勝った後はリビングでゴロンと寝転んでガッツポーズしたのを覚えています。

本当に素晴らしい脚を見せてくれましたよね!

ええ!あれはちょっと気持ちが良かったですね!ローゼシュティアがちょうど目標になったのでね。

手応えも余裕に見えたのですが、どのようなゴールシーンでしたか?

いや、もう頭真っ白になりましたけれどもね…。でも本当に良い脚で、エコルはいつも終いの脚は堅実に使ってくれますので、いい所につけて行けば「行けるかな」と思っていたのですが、本当にちょうど良い感じで4コーナー回ってきたのでね!
勝浦騎手がとても上手に乗ってくれたと思います。

ご家族の皆様で喜ばれたのですね!

そうですね〜!もうめっちゃ気持ちよかったですよ!やはり現地で観たかったですよね!

4歳の牝馬さんということで、これからも楽しみが広がる勝利となりました!
末脚が確実というお話しもありましたが、どのようなところに強さを感じていらっしゃいますか?

エコルはそうですね…。何しろ直線に入ってからは今までほぼ全てのレースにおいて確実に伸びて来てくれるので、馬主としては一番盛り上がりますよね!「そのまま!」と言うよりは、「行けー!」という方が。それが今の所どのレースでも通用していて、記念で出てみようと、重賞の紫苑ステークスにも出走したことがあるのですが、その時も最後だけ追い込んで4頭ぐらい抜かしてくれたので、8着に入ったのは良かったですね!あの時、12頭立ての圧倒的12番人気だったので…。
終いの脚はこのクラスの牝馬だったら通用するんだなという風に思っていました。
そこが1番、馬主的には見ていて嬉しいですし、良いところですかね。
最後突っ込んでくれるので、逃げ馬のハラハラドキドキ感、「そのまま!」というよりは、精神衛生上良いですよね!

この先は、どのような女の子に成長して行ってほしいですか?

そうですね…今日(インタビュー当日)もそうなのですが、やはり勝ったら勝ったで出られるレースがどんどん限られていくので、目先の勝利というよりは、長く活躍してくれたら嬉しいですね。
このクラスで、やっと前回特別勝ちができたので、牧場の方とも特別勝ちの称号を持って、出来たら3勝挙げられたら繁殖としても良いよね…という話をしておりした。
あと、1勝なのですが、その1勝を取ってしまいますと、恐らく次が準オープンになって難しくなってしまいますので、このクラスで好走を続けてくれるのがベスト!!ですね。
いや、勝ったら勝ったで嬉しいし、今日は家族3人で来ているので、口取りもしたいのですが…微妙な親心ですね。
でもいざとなったら応援しますけれどね!
「差せ〜!」って!

前走の(特別戦)ヤングジョッキーズシリーズ名古屋の時にはご来場されたのでしょうか?

はい!行きました。あの時少し遠かったので、僕1人で行きましたけれど、口取りも出来まして、しかもあの時は特別とも分からなくて、表彰式があることも知らなかったので…。口取りも表彰式も初めての事で、あれはとても気持ちよかったですね!理想的でしたね。

この時は本当に、小林凌太ジョッキーも素晴らしいご活躍でしたね!

凄いご活躍でしたね!抽選で当たるまで小林騎手のことをあまり知らなかったのですが、たまたま、鈴木調教師が良い騎手を引き当ててたと!教えてくれましたね。
あのレースはやはりヤングジョッキーズシリーズなので、みんな見せ場を作ろうとして、逃げ馬がドドっと行ってしまった時に、デンと構えて後ろから、それこそ突っ込んで来ましたけれど、ちょっとさすがに無理かなって思うぐらい離されていたので…。
ラジオを聴いている友人から最後まで名前が呼ばれないのでダメかと思ったよ!って言われました。呼ばれたのは、最後の最後だけですからね!

エコルフリューゲル号の馬名もとても素敵だなと思ったのですが、ハワイ語とドイツ語を組み合わせていらっしゃるのですか?

そうなんですよ!
たまたまフリューゲルというお店を持っておりまして、奥さんが付けた名前なんですよね。
翼の意味も良くていいなと思って、それじゃあ僕も馬主になるので、フリューゲルという名前にしようかとなりました。
あと、ハワイが本当に大好きで、毎年行っているのですが、コロナでなかなか行けなくて、この間久々に行くことが出来まして…。
ハワイが大好きなのでじゃあ、ハワイ語の3文字にしようということを決めて、名前付ける担当はうちの奥さんなのですが、奥さんが色々探してきて、「エコル」が数字の「3」という意味で、3人家族なので語呂も呼んだ感じもいいねと「3人の夢を…」という意味を込めて付けました。

では、出会いについてもお伺いしていきたいのですが、どの辺りに惹かれたのでしょうか?

社台の方に馬主になる時から色々とお世話になっておりまして、最初に買うならば千葉セリが良いですよと教えて頂きました。
リアルダビスタがやりたかったので、牝馬が欲しかったんですよね。牝馬で血統が良くて、繁殖にあげられそうなお馬さんが良く、血統オタクなのでピックアップして、その中で社台の方のイチ押しがエコルだったんです。

父ダイワメジャーで、母父キトゥンズジョイですよね!見た時の印象はいかがでしたか?

全然馬体とかは分からないのですが、顔は可愛いな!と思いましたね。
白斑が少し曲がっていて、顔が分かりやすいと思いました。千葉セリだと走っている姿が見られるのですが、全ての馬がかっこよくしか見えなくて、社台の方に色々と教えて頂きました。
ゆったり大きく走れている馬で、その中でエコルが確かにいいなと思ったので、 エコルを全力で、ネットオークションだったので買いに行きました!

購入された時のご家族のご反応はいかがでしたか?

いや〜!息子は面白がっていましたね!まさか馬主になると思ってなかったようで、買う時もリビングでオークションに参加していたので、その当時は本当に買ったの?みたいな感じでびっくりしていました。

馬主さんになられようと思ったきっかけというのは、先ほどのダービースタリオンですか?

高校か大学に入ったくらいから、ダビスタがすごく流行っていて大好きなゲームなんですよね!自分で頑張って育てていくっていうのがすごく好きで。それからも、ずっと馬のゲームは色々と続けているくらい好きで、いつかは馬主になりたいなと昔からずっと思っていたんですよね。
それで、ペーパーオーナーから入って、一口に入りまして、社会人になって何年か経った時に社台の一口に入りまして、馬主の資格なども調べ始めて社会人20年目ぐらいからですかね…こうやったらなれるんだというのが分かったので、そこに向けて色々と準備をして行きました。
馬主資格を取得したタイミングがほとんどのセリが終わっていたシーズンで、次の千葉セリでエコルともう一頭購入したのですが、本当にすぐ活躍してくれたので運が良いですよね!
ダービースタリオンをやっていたので、厳しい世界というのは知っていて、世の中の馬が一勝を挙げるのがどれだけ大変かと言うことも分かっていたので、運が良かったですし、社台のお世話になっている高田さんにもお礼を伝えたいですね。

デビュー前の印象やエコルさんとの思い出のエピソードなどはございますか?

この時はコロナ禍でもあったのでなかなかトレセンにも会いに行けなかったですし、調教師の先生も紹介して頂いたのですが、お電話でのやり取りがほとんどでして…デビューする時にそこそこ頑張ってくれそうだと調教師さんが仰って下さいましたね。
最初のレースは7着だったのですが、それでも最後トコトコトコトコ突っ込んで来てくれて、期待しないようにしていた自分がいたのですが、結構頑張れるかもって思ったのが最初のレースでした。

今後のエコルフリューゲル号との夢や目標というのはいかがでしょうか?

今言うと怒られてしまいそうですが…良いお母ちゃんになってほしいんですよね。
レースで活躍できる間はもちろんレースで頑張ってもらうんですけれど、出来たらあと一つ、どこがで勝って貰えたら「特別勝ちを含む3勝」という最初の目標に到達するので、繁殖、「お母ちゃん」になってもらって、繋ぎたいんですよね。
そうしましたら、今度は冠名を「エコル」にしようかと。「フリューゲル」から始まって、今度「エコル」で繋がっていくのが良いかなと思っています。まだ誰にも言っていないのですが。

ではオーナーとしての目標というのはいかがでしょうか?

そうですね…やはり馬主というこのステータスもそうですし、応援するのが大好きなんですよね!家族が何かにトライしたらそれを応援するのもすごく大好きですし、馬も一頭持ちですと、自分の家族のような感覚になりますので。そういう応援できる環境を長く続けたいなと思っています。
ですので、もちろん大きいレースを勝ってくれたら、それはそれで素晴らしいことなのですが、それはおまけというか…。馬も競馬も負ける馬がほとんどなので、勝つことを目標にしてしまうのは結構大変と言いますか…馬も余計なお世話だよとなってしまいそうなので、頑張っている姿を応援できるような、環境を続けていきたいなと思います。

最後になりましたが、中山馬主協会様へメッセージがございましたらお願い致します。

いつもお世話になっております!
馬主の申請をした時もそうでしたが、本当にいつも色々と親切に教えていただいて、感謝致しております。
まだ会合などには参加する勇気がなくて、行けていないのですが…いつか機会がございましたらお邪魔したいと思います。
あと、やはり馬主の方との交流を持ちたいですよね!
今はTwitterで結構馬主の方々と繋がれたのですが、中央馬主の方はあまり多くはなく、中央の馬主の方とも、コミュニケーションが取れるような場があれば、ぜひ参加させていただきたいと思います。
これからもぜひ、よろしくお願い致します。

追記

ダービースタリオンから血統の魅力に魅了され、オーナーを志されて来た鈴木オーナー。
ご自身で馬主になられる為に日々研究を重ねられ、一歩一歩目標を達成する為に努力されて来たことと思います。
大好きなご家族、ハワイの言葉から名付けられた「エコルフリューゲル号」の初勝利の瞬間、特別勝ちのお喜びの声を伺う事が出来ました。
特に印象に残りましたのが「(愛馬を)ずっと応援していきたい」というお言葉とそのお気持ちが強いことです。これまでのインタビューでも家族と同じような感覚だと仰られるオーナー様方が多く、鈴木オーナーも同じようなお気持ちでいらっしゃるのだなぁと、「頑張っている姿をずっと応援出来るような環境を続けて行きたい。」とお話し頂いたことに、鈴木オーナーの愛馬たちへの想いが全て詰まっている様に感じました。

これからも愛馬さんたちが長くご活躍され、また次は重賞勝利の際にインタビュー出来ますことを楽しみに致しております。
ご家族様皆様揃っての表彰式、口取りも叶いますよう、私も応援させて頂きたいと思います。ありがとうございました。

(インタビュー・文/田中歩)

※この記事は 2023年3月15日 に公開されました。

インタビューアー
田中歩(たなか あゆみ)
茨城県出身。客室乗務員を経てフリーアナウンサーに転身。
現在、グリーンチャンネル「海外競馬中継」など各メディアで活躍中。
父は皐月賞馬ロゴタイプなどを管理した美浦の田中剛調教師。


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