第3回
初勝利
ホノノディーヴァ
鈴木誠さん

初勝利おめでとうございます!

1番人気に推され後続を離す圧勝でした!振り返っていかがでしょうか?

素直に嬉しかったというのはあるのですが、それと同時にホッとしたっというのが一番ですかね。
馬主はまだ3年前になったばかりで、自分の馬が1番人気になるということ自体が何て言うんでしょう、本当?っていう状態の中で、あの時まだコロナでお客さんも少なかったので、応援してくれる方の声も聞こえるわけですよ。これでもし、負けてしまったらという不安も当初ありまして、ですから1着でゴールした時に、まずはやった!!という喜びと今までにないような喜びとと同時に、良かった!!という気持ちでした。

改めて1番人気のプレッシャーというのはあったのでしょうか?

やはり経験がないことで初めて経験したことでしたから、それはありましたね!

外枠からすっと2番手につけて、終始2着のラブミーディザィアをマークしてのレース、直線差し切ってくれた時はどのようなお気持ちでしたか?

もう内田さんに感謝ですよね!
流石に上手だなっというのが一番で、直線で差せるかどうかというのがものすごい不安だったので、恐らく人生の中で一番最後の200mが熱かったのかなという気がしますね!長く感じましたね…勝って喜んでホッとしてっていう経験した事がない1日でした。

戦前はどのような作戦を林調教師と練られていたのでしょうか?

ほとんど先生のご指導を頂きながら、プランニングに合わせた形でお願いしてまして、こういう場だから言うわけではないのですが、元々馬主になる前に、社台さんに一口馬主でお世話になっておりまして、その社台さんの後押しがあって馬主にならせて頂いて、当初共有馬と言いますか、1頭持ちは全く頭になかったんです。
ところが中山馬主協会さんにお世話になるようになって、その時に競馬会主催の新規馬主オリエンテーションがあり、それを受けさせて頂いて、調教師さんのご紹介がありまして、初めて林さんと他にも何人か会わせて頂いて、お会いしてお話させて頂きました。
林先生の言葉とか、思いというのがすごく伝わって来て、「こういう方に馬を預けて、こういう人と一緒に競馬を楽しみたい。」と思ったんですよね。それがなかったら林先生とのご縁もなかったでしょうし、一頭持ちをしようという気持ちもなかったですね。
中山馬主協会さんに入らせて頂いて、オリエンテーションを受けたことが良いきっかけで、林先生に出会えて、馬に対する想いが大きく、こういう先生に預けて一緒に勝って行けたらすごく楽しいかなぁという気持ちがありました。だから中山馬主協会さんに入らなければ一頭買いもしていなかったでしょうし、良いきっかけを下さりすごく感謝しております。 また、初勝利が2頭目だったのですが、その前にホノノルーカという馬がおりまして、それも林先生にお世話になりました。中央で勝つのはそんなに簡単なことではないなと、ホノノルーカの時に思いまして、色々なアドバイスやお話しを林先生から頂いて、どうしてももう一頭買いたくなり先生にお願いして、それがホノノディーヴァだったんです。
本当は私インタビューとか好きではないのですが、中山馬主協会さんとのご縁、良い思いをさせて頂けたので、少しでもお役に立てればと…お世辞でもなくリアルな話です。

ホノノディーヴァとの出逢いについても伺っていきたいのですが、ドゥラメンテ産駒の同馬、どの辺りに惹かれたのでしょうか?

まず、ドゥラメンテですよね!!
ドゥラメンテの仔を所有出来るとしたら凄いなという思いがありまして、自分の中でいくつか候補があった中で、千葉セリさんで購入させて頂いたのですが、正直あの金額で落とせるとは思っていなかったですね。
林先生にも上手く購入出来たらまたお願いしたいというのはお伝えしていて、先生からも馬の見方でしたり、色々とご指導頂き、偶然にも購入する事が出来ました。購入したことだけでも結構満足していたのですが、「ドゥラメンテの仔を持ってしまったのか!」という気持ちでしたね。

購入後は御家族とどのようなお話をされましたか?

まず、家族にドゥラメンテがいかにすごいのかを説明しましたね。下の子がまだ当時中学生だったのですが、馬が大好きで私より詳しくて、ドゥラメンテの仔を買ったと言った時に「じゃあ、私が名前を付ける!」と言って、ドゥラメンテの仔だなんて夢のようだと娘も話しておりました。娘が付けた名前がホノノディーヴァです。

娘さんが付けたホノノディーヴァが勝って、娘さんの喜びもひとしおですね!

レースを一緒に観ておりまして、狂喜乱舞してました。「ホノノ」という冠名は娘の名前で、「ほのか」という名前なのですが、娘が私の名前を入れてくれっていうのが始まりで、だったら入れようという話になりました。それでそれが勝ったものですから、もう狂気乱舞していましたね。

ホノノディーヴァ号、幼い頃はどのようなご様子でしたか?

腱に少し腫れが出やすいというのがありまして、その部分を注意しながら調教を進めて貰いました。でも実際に走ってみるとさほどそれが大きな影響にはならないというのが分かったので、ホノノルーカの馬体が小さかったので、とにかく馬体だけはがっちりとなってくれたらいいなという思いがありました。
その辺りを社台さんも林先生も気にして下さって、しっかりとデビューの時には仕上げてくれました。
何でしょう、成長を見るのもすごく楽しかったですし、言葉が合っているかどうか分からないのですが、「競走馬を持つ」というよりもペットを飼うようなそんなイメージなので、成長を見るのが楽しみですね。

性格的にはどのように感じていらっしゃいますか?

夏に休養先の北海道へ訪れた際に、勝利した時の荒々しさは全くなくて、こんなに穏やかな馬だったのかなぁというぐらい、穏やかにのんびりと北海道の生活を送っていました。 ただ、調教に入ると戦闘モードに入り、オンオフがはっきりしていると先生も仰っていますね。

ディーバちゃんの魅力、強さとはどの様に感じていますか?

一番は初勝利を挙げた時のような最後の末脚、直線になっての強さというのは、これからもそういうシーンを見てみたいなと思いますね。それがやっぱり強さなのかなと思います。

オーナーとして、ディーヴァちゃんとの目標はいかがでしょうか?

勝率にこだわるというよりも一戦一戦を怪我なくその調子に合わせて少しでも上を目指すのは当たり前のことですけども、一勝でも多く勝てるように、かつ怪我がないように長く競馬ライフを送れるようになってほしい思います。

オーナーになって改めて良かったなって感じる時はいかがでしょうか?

こういう時ですね!
いつかは馬主席で観られるようになりたいという思いがありまして、こういう場所で競馬を楽しめる事が馬主になってまず一番実感と言いますか、感じるところです。また自分の馬が走る時にここに居られるというのも、ものすごい幸せだなぁと思いますし、馬主になる前は、なる事がとてもハードルが高いものだと思っていたので、社台さんの後押しもなかったら馬主になっていなかったでしょうし…馬主になって凄く充実しています。
自分の馬が走らなくてもしょっちゅう競馬場に来ています。今日もいつも一緒に来ている仲間と楽しんでいました。

では最後に中山馬主協会様へメッセージをお願いします。

本当に素直に感謝しております。協会さんに入らせて頂いて、ああいう場がなかったら多分ホノノルーカもホノノディーヴァも持って居なかったと思いますし、林先生と話す機会もなかったでしょう…ですからあの様な機会を持って頂けたのはすごく有難いです。
馬主になった時の不安というのが大分解消されますし、また自分が思っていた馬主の形がそれによって変わって来たので、新人馬主に対しても温かくご指導下さる協会さんにとても感謝しております。「本当に感謝している。」しかないですね。
いつかはこういう話しが何らかの形で出来たらと思っていたので、お話出来て良かったです。ありがとうこざいました。

追記

本当はインタビューがあまり好きではないという鈴木オーナーですが、馬主さんに成られるまでのストーリーを丁寧にお話しして下さいました。
愛馬を御家族のように想い慕われていて、ご息女様が名付け親になったホノノディーヴァ号の初勝利の瞬間がどれだけ喜びに包まれていたのかか、思わず私も笑みが溢れてしまう終始温かなインタビューでした。
これからも素敵な馬主生活を、そして愛馬たちのご活躍を心より願っております。
次はご息女様もご一緒にお会い出来ます事を、楽しみに致しております。
貴重なお話をどうもありがとうございました。

(インタビュー・文/田中歩)

※この記事は 2022年11月10日 に公開されました。

インタビューアー
田中歩(たなか あゆみ)
茨城県出身。客室乗務員を経てフリーアナウンサーに転身。
現在、グリーンチャンネル「海外競馬中継」など各メディアで活躍中。
父は皐月賞馬ロゴタイプなどを管理した美浦の田中剛調教師。


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