第7回
初勝利
バイオアート
小島章義さん

初勝利おめでとうございます!

バイオアート号の初勝利、おめでとうございました!
振り返って頂いていかがでしょうか?

馬主になりまして、初めて購買させて頂いた仔です。右も左も分からない状態で、厩舎の先生と一緒に購買しに行きまして、デビューまでに結構時間がかかったんですね。もっと頻繁に会えるかと思っていましたら、北海道に1年間行って、美浦に来るまでに時間を有するということで、ちょうどコロナ禍でもあり、厩舎にも行けないということで、ほとんど会えませんでした…。

バイオアートに関しましては、とても優秀な成績を収めてくれて、初めての体験だったのですが、勝つことはそんなに難しくないんだなというような思いでいました。
しかし、下の仔たちも血統面を重視しながら購買したのですが、血統とやはり潜在能力というのがあるのだなぁと今は勝つことの難しさも他の愛馬たちから教えて貰っているところです。

どのような経緯で馬主に興味をお持ちになられたのでしょうか?

私もペット関係の仕事をしているものですから、競馬サークルという中で、沢山の馬が毎年購買されてレースに出走する…ただその後どうなってしまうかな?ということに興味がありまして、勉強になるかなぁと思い、試しに馬主の資格を受けてみようかと。
もともと中山競馬場も近く、何度か訪れたことがあったのですが、大学が獣医大学で馬術部もあったので、そのような経緯で馬主になりました。初めての経験ということで、本当に何にもわからない状態で馬主になりましたね。

実際に購入されて、愛馬はどのような存在ですか。?

そうですね…始めは印象的に言ったらもっと身近な存在だと思っていたんですね。ところが、馬主になって調教師の先生を探さなきゃいけないということで大学の教授だった方にご相談して、その教え子の方が、調教師をなさっているということで、ご紹介を受けました。
もっと身近にこうあって、触れ合えるかなと思ったら、たまたまコロナ禍というのもあったのですが、北海道に預けてから1回は会いに行けたのですが…。

幼い頃の印象というのは何かございますか?

本当に馬のことを全く分からなかったものですから、どの血統が良いとか…その時流行っていて、聞いていたのがロードカナロアで、後はちょうどディープインパクト産駒が最後ということで、先生とロードカナロアの仔でとお話ししていました。
私は普段からブリーダーさんからワンちゃんを仕入れに行くものですから、普通の感覚で抵抗なくセリに参加しまして、そしたらなんと、一声で落ちてしまったんです!
誕生日が遅かったというのもあるんかもしれませんが、少し小さかったですね。

どのあたりに一番惹かれたのでしょうか?

全部お任せだったのですが、知っている産駒、お父さんが当時ですとロードカナロアやエピファネイヤなどが有名だったので、その辺りがポイントとなりました。

勝利後、ご家族や周りの方の反応はいかがでしたか?

勝った時は、社員に結構競馬好きが多くて、今日も社員達が応援に来てくれておりますが、会社内で「血統研究会」というのを立ち上げまして、来年デビューの3頭の仔たちは、社員に名前を公募しようかと思っております。そうすると、もっと競馬ファンも増えますし、ギャンブルというイメージが非常に強いと思うんですけども、それをなくすために「血統は研究ですよ!勉強会ですよ!」という風にやって行こうと思っております。

ほとんどのスタッフが動物好きなので、ワンちゃん、ネコちゃんだけじゃなくて、馬に会いたいという方々も多くいるものですから、今お預けしている厩舎さんにどんどん連れていきたいなと。(コロナでなかなか難しいかもしれませんが…。)
できれば自分で牧場を作り、ワンちゃんの施設と一緒に、馬の施設を併設して作ってみたりしたいですね。

これからの目標や夢はいかがでしょうか?

馬主になって愛馬を保有するようになったら、その子たちは全部責任を持ってやろうと。それはもう決め事で考えております。黒岩先生にも様々なお話をして、提案をしております。 やはり黒岩調教師は獣医師であり、馬術部で、馬が大好きで…この方に全部預けたいという想いです。先生に最初にお約束したのは、GI馬を出して厩舎を「日本一」にしていきましょう!と始めたものですから。それは裏切れないですね!

また、今8頭の愛馬を持っているのですが、女の仔を多くという想いがありました。それはなぜかと言いますと、レースを引退した後に繁殖牝馬になれるとか、牧場さんに譲渡できるとかですね、そういう道がちゃんと出来るように、そのために女の仔が絶対良いなぁという想いがありまして…男の仔の場合は乗馬もそんなに数多くあるものではないですし、今だとサラブレッドオークションや地方競馬もありますが、自分で愛情を持って買った仔ですからね。基本は女の子ですね!
引退した後、その仔の血統でまた牧場さんにお願いして、男の仔を産んでもらってその仔を3年後にまた愛馬として迎えたいという構想がありましたので。
バイオアートちゃんはお母さんになりますが、3年後その彼女の血筋を受け継いだ仔がまた私の元に来てくれればという想いです。

最後に中山馬主協会さんにメッセージをお願い致します。

ぜひ中山馬主協会さんには、日本を代表するような協会になって頂いて、色々な福祉活動にも力を挙げていただきたいと思いますし、個人の馬主の方々は沢山いらっしゃると思うのですが、その中でも多くの方々は夢と希望とですね、楽しみを持っていらっしゃって、そんな皆様が愛馬を持って「競馬が幸せ」と思えるような、そういう協会にしていって頂きたいと、心から願っております。
今後ともどうぞ、宜しくお願い致します。

追記

お仕事柄、普段からペットとはご家族のように接して来た、小島オーナー。
コロナ禍もあり、愛馬になかなか会えない歯痒さもありながら、引退後の愛馬の余生についても強い想いと構想がおありで、とても頼もしくも、馬や動物たちを愛する優しいお人柄が印象に残りました。
来年デビューの愛馬さんたちがどんなお名前になるのかとても楽しみですし、母となるバイオアートちゃん、そして愛馬さんたちのご活躍を心より願っております!

(インタビュー・文/田中歩)

※この記事は 2023年1月25日 に公開されました。

インタビューアー
田中歩(たなか あゆみ)
茨城県出身。客室乗務員を経てフリーアナウンサーに転身。
現在、グリーンチャンネル「海外競馬中継」など各メディアで活躍中。
父は皐月賞馬ロゴタイプなどを管理した美浦の田中剛調教師。


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