第5回三遊亭好楽さん

落語家

シンザンという強い馬がいる。それを知ってから競馬に興味を覚えたような気がする。競馬場に行った事ないのに誰かが連れて行ってくれるというかんきょうでもないのに、何故か競馬が好きになっている自分であった。

始めて買った馬券は、昭和45年の有馬記念スピードシンボリとアカネテンリュウの一騎打ち。前年の対決は大穴だったのに、今年は大本命だったのを覚えてる。後楽園の場外は枠連売り場であったペラペラの薄い穴のあいた馬券で、1-1売り場から8-8の枠連だけの売り場だった様な気がする。当時前座だったので給金一日100円だった。その年のダービーで、ヒカルイマイで5万円以上の配当金を手にしたので、11月に結婚するカミさんの実家へ行って
「お母さんこれで結婚指輪を買って下さい」
首をかしげながら笑って受け取って貰った。

それから競馬人生。土日JRAの日々。

記憶に残っている馬券は重の桜花賞のナスノカオリ、泥んこの天皇賞のメジロムサシ、益々馬が好きになり逃げのホワイトフォンテン、後方から直線でゴボウ抜きするコウジョウ、1800なら絶対負けないヤマブキオー、西高東低になって来た競馬界で唯一菊花賞と有馬記念を勝ってくれた関東馬のイシノヒカル、悲劇もあったハクホオショウ、テンポイント、ライスシャワー、メジロマックイーン、サイレンススズカ、悔しくて泣きましたね。そしてこんな馬もいました。条件馬だったのが出世して、とうとう天皇賞馬になってしまったアイフル。

一番心に残っているのは、やっぱりハイセイコー。どれだけ大井から来た馬、怪物君が中央で勝ち進むのかいよいよダービーもかと思っていたのは私だけじゃない。それがなんとタケホープに負けるのである。その晩競馬仲間と悔し涙の飲み会をしたのは言うまでもない。

馬券は買わないと面白くないです。

いくらレースが見ているだけで楽しいと言っても、当たった喜びは最高ですよ 私は当ったら自分の財布には入れません。その日にみんな呼んで宴会をします。全て使い果たします。だってその収入は仕事で汗をかいて得た物じゃないんですから。取った事を自慢するんですから聞いてくれた仲間にご馳走する事は当り前ですから。

それ以来、井崎脩五郎にほめられる位、50年以上土日は参加してます。おっとこんな事してられないよ。新聞買いに行かなきゃ。

リレーバトン 次回は

りんごちゃんさん です。

※この記事は 2024年4月5日 に公開されました。


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