第1回ほのかさん
モデル
「験を担ぐ」という今回のテーマを元に、まずはこれまでの自分の人生を振り返ってみました。
今、私は27歳。
学生の頃の私は"験を担ぐ"という事を意識していたように思います。
例えば、受験前、必ず学業の神様がいるところへお詣りしお守りを買う。朝、テレビで流れてくる占いを見て、ラッキーアイテムを身につける。他にも、左手首(気は左手から入るので、悪い気を止めるため)にはパワーストーンのブレスレットを毎日付けたり...
とにかく、大きい出来事から些細な事まで、何かしら験を担ぐようなことを行っていたように感じます。こんな"験を担ぎまくりな状態"だったので、19歳で芸能の道は進んでからも験担ぎは止まりませんでした。大切な収録&撮影の前日は必ず決まったボディクリームを付ける。毎朝、神棚に手を合わせて「今日も良い1日にします」と挨拶をする。仕事へ行く時、玄関から外へ出る時は左足から出す。帰ってくる時は右足から入る。など。挙げだしたらキリがありません(笑)。
とにかくこれをすれば絶対良いことがある!!と信じていましたし、験を担がなければいけないと無意識に思っていたのかもしれません。しかし、ある時から意識的に験を担ぐ事を辞めていきました。なぜなら、験を担ぎすぎて、一時期、お仕事対して一喜一憂してしまうような性格になってしまったからです。それに振り回されている自分を発見した時に意識的に験を担ぐのは辞めよう、そう決めました。
さて、どうしてこのテーマで語らせていただくことになったかというと、最近、川田騎手の「頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法」を読みました。
そこにちょうど今回のテーマ"験を担ぐ"という事について語られていたのです。
イチロー選手は試合の日の朝は必ずカレーを食べていたという事を聞いた事があったので、日本のトップジョッキーもきっと色んな験を担いでいるんだろうな。と思っていました。
しかし、そこには、"圧倒的に負ける事が多い仕事だから、験は担がない"とはっきり書いてありました。
ゲンを担いで“何か”をしたとしましょう。 もし、それで負けてしまったら、もうその“何か”は使えなくなってしまいます。
川田騎手のこの言葉が全てだと思いました。
例えば、G1勝利をした時に使っていた鞭を仮に験担ぎの対象にしてしまうと、その鞭を使って負けてしまった時に、「縁起が悪い鞭」というイメージへと変わり、次からは使えなくなってしまう。鞭を使い捨てには出来ないし、そもそも結果が出ない事を鞭のせいにするのは違うとの事。
自分の実力不足を素直に認めて反省をすればいいだけで、悲観する必要は全くない。
という川田騎手の文章が胸に刺さりました。
実は川田騎手もイチロー選手と同じようにだいたいカレーを食べているそうです。
ただそれは験を担いでいるわけではなく、いつも同じものを食べて、同じ胃袋の状態にして、同じ消化の仕方をしたいから。体調を一定に保ちたいという目的があってのメニューだと知った時、イチロー選手も験を担いでいた訳ではなく、自分の状態を把握するためのカレーだったんだなと納得しました。
私も、ただの神頼みの験担ぎをするのでなく、目的を持った行動を取れるような人になっていきたいとつくづく思うばかりです。
勝者の思考法を完璧に身に付けるのには、まだまだ時間がかかりそうです。
草野 華余子さん です。
※この記事は 2024年1月12日 に公開されました。