ゲスト (有)サンデーレーシング代表 吉田俊介氏
01. 馬に、騎手に、スタッフに、応援してくれたすべての人に、乾杯!
マッドクールで第54回高松宮記念を制した(有)サンデーレーシングの吉田俊介代表。第2回の『G1オーナーに乾杯』に続き、連続登場となった吉田代表の口から飛び出したのは、馬への感謝、厩舎&牧場スタッフ、手綱を取った坂井瑠星騎手への感謝、そして、クラブ会員と応援してくれたファンへの感謝の気持ちだ。
ズバリ訊きます。勝因は?
――G1オーナーをゲストにお迎えしてお贈りする『G1オーナーに乾杯!!』……なんと、(有)サンデーレーシングの吉田俊介代表は、ブレイディヴェーグのエリザベス女王杯続き、連続登場です。
吉田中山馬主協会の企画で、また、また、キャプテンと会えるというので、すごく……いや、違うな、ものすごく、ですね、楽しみにして来ました(笑)。
――嘘ばっかり(苦笑)。出来れば、会いたくないと思っているでしょう?
吉田そんなことないって。言葉を選んだり、構えたりしなくていいので、キャプテンと会うのは、いつでも楽しいですよ。
――俊介さんが言うとなんか嘘っぽいけど(笑)、じゃあ、そういうことにしておいて――あらためて、マッドクールの高松宮記念優勝、おめでとうございます!
吉田ありがとうございます!
マッドクールは、2歳の春、右前脚の剥離骨折でデビューが、22年1月と遅くなってしまったんですが、短距離を中心に使われ、途中、4連勝というのもあったので、期待はしていました。――僕も、です。しっかりと馬券を取らせていただきました。
吉田Me too、僕も、です(笑)。
――ははははは。それは、そうでしょう。
でも、意外なんですが、マッドクールは、これが重賞初制覇なんですね。
吉田そうなんですよ。昨秋のスプリンターズステークス2着というのはあったんですけどね、重賞初勝利が今回の高松宮記念で。昨年12月の香港スプリント(8着)の後、体調管理に努め、最高の状態に仕上げてくれた牧場、厩舎のスタッフのおかげですね。
――ズバリ聞きます! 俊介さんの分析では、勝因はどこにあったと考えていらっしゃいますか。
吉田う〜〜〜〜〜〜ん、それは、難しい質問だなぁ。
猛暑対策は待ったなしの急務
――勝因は、ひとつじゃない?
吉田厩舎、牧場スタッフの努力、会員のみなさん、ファンの方の応援、馬場状態、展開、坂井瑠星騎手の判断……いろんなことが合わさっての勝利だと思っています。
――昨年12月の香港スプリントの8着は、スタートがすべてだったと思いますが、3走前、7月2日に中京で行われたGIII CBC賞の9着は、どう考えても敗因がわからなくて……。
吉田結果論として言ってもいいですか?
――もちろんです。
吉田走るまでわからなかったんですが、レース内容、レース結果、レース後の息遣いとかから考えると、夏の暑さが堪えていたんじゃないかと思います。
――そうか……確かに、去年の暑さは異常でしたからね。
吉田昨年8月には、菊花賞馬のアスクビクターモアが、熱中症による多臓器不全で亡くなっていますし、今年も、すでに何頭かレース中に具合の悪くなった馬がいたと聞いていますから、暑さ対策は急務だと思っています。
――JRAでも、シャワーやミストを設置したり、パドックの周回回数を短縮したり、馬房にクーラーを設置したりといろんな対策を取っていますが、異常気象が、異常じゃなく、当たり前のようになって来ていますからね、馬にとっては負担が増す一方です。
吉田今年は、7月27日から8月4日の新潟開催で、昼のレースを避け、最終レースを18時25分発走の薄暮開催にすることになっているから、それでどれくらいの効果が出るのか。きっちり分析して、来年以降に活かすことが大事になってくると思います。
理想通りの競馬です
――話を高松宮記念に戻します。レース前、「頼むから、前目につけてくれ」と、祈っていたんですが、まさに、願い通りの展開になりました。あれは?
吉田香港のビクターザウィナーが速いのはわかっていたので、あの馬を行かせて……というプランは、枠順が決まった直後からありました。
――予定通りだったと?
吉田スタート次第になりますが、1枠2番からの発走でしたからね、前目のポジションで……というのはいくつかあったプランの中でも最高のカタチでした。坂井騎手がうまく馬を導いてくれたおかげです。
――道中は内、内を回って、直線入り口では、まるでビクターザウィナーが外に膨れるのがわかっていたかのように内をピッタリと回って、先頭に躍り出ました。
吉田あれはね、僕もびっくりしました。
レース後、坂井騎手に、「ビクターザウィナーは外に膨れると思ってた?」と訊いたら、当然ですという顔で、「はい!」とうなずいた後、ニヤリと笑っていて。さすが、リーディング上位のジョッキーですね。
――それでも、最後、ナムラクレアの猛追は、ヒヤヒヤでした。
吉田僕は、どっきどきでした(笑)。
で、そのことも、坂井騎手に訊いたんだけど、「来ているのはわかっていましたけど、まさか、あそこまでとは思いませんでした」と苦笑していました。
――秋が楽しみですね。
吉田どこから始動して、どこを最終目標にするのか、すべては馬の体調次第ですが、伸び代の多い馬なので、いまは楽しみしかありません。
(構成:工藤 晋)
吉田俊介 よしだ・しゅんすけ
1974年4月13日生まれ
(有)サンデーレーシングの代表で、ノーザンファームの副代表。
キャプテン渡辺
1975年10月生まれ
お笑い芸人。競馬、競輪、パチンコ、パチスロは趣味の域を超えていまや生活の一部に。特技は関節技。現在テレビ東京系列で放送中の『ウイニング競馬』にレギュラー出演中。YouTubeで競馬予想更新中。