京雅の沓冠
(和歌)


「巻き返す オークスで」(秘められたメッセージ)

<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
 第85回、優駿牝馬・オークスは桜花賞で悔し涙を流したチェルヴィニアが、樫の舞台で、ライバルたちに借りを返すレース結果となりました。
 桜花賞は13着と後塵を拝したものの、鞍上のルメール騎手が復帰し、この馬でオークスに挑むとあり、ファンも2番人気に支持する格好となりました。
 縦長の展開を中団やや後方よりで脚を溜めたチェルヴィニア。直線では、先いくライバル(エース)をみな差す勢いで脅威のパワーを発揮。エース筆頭の桜花賞馬ステレンボッシュが内から抜け出しにかかるところを、外から末脚疾走で駆け抜け、樫の女王の座を手中に収めました。
 オークスで見事に巻き返したチェルヴィニア。秋は迎え撃つ立場に変わって再び輝くことができるか。世代のライバルたちの戦いは秋へと続きます。


※ 【沓冠】とは・・・ 沓冠は「くつかむり」「くつかぶり」「くつこうぶり」とも読まれる。 和歌の折り句の一種で、10文字の語句を、「各句の初めと終わりに、それぞれ1字ずつ詠み込んだ」もの。
※【京雅】・・・競馬会をこよなく愛する歌人。はっきりと言えないことを、沓と冠に隠して相手に伝える達人。日々、平安貴族の世界に思いを馳せている。

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