京雅の沓冠
(和歌)


隠れたメッセージは「世界一 あの走り」

<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
 秋の東京競馬場に春のそよ風(=ゼッフィーロの馬名の由来)が吹き抜けました。
 目黒記念、オールカマーとGIIで善戦したゼッフィーロ。3度目の正直とばかりにGIIアルゼンチン共和国杯へ挑戦。強力なライバルたちが壁のように立ちはだかり、最後の直線はインコースで詰まるかと思われましたが、わずかなスペースを一騎軽快に抜け出して悲願の戴冠。3歳の2月デビューでクラシックへの出走は叶わなかった大器が見事に覚醒。
 また鞍上のJ.モレイラ騎手はこの週11勝の固め打ち。ブラジル出身のモレイラ騎手を背に、ゼッフィーロという風が吹いたレースとなりました。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。

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