京雅の沓冠
(和歌)


隠れたメッセージは「得意道 走り抜く」

<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
牝馬ニ冠馬か、それとも昨年の白毛の覇者か、に注目が注がれた一戦。その2頭に割って、先頭で雨中の対決を制したのは、昨年、同じ東京マイルの安田記念(GI)を制して、このコースを得意としているソングラインでした。
レース前は外を抜け出す算段だったものの、展開と馬の馬場への対応を見極め、最後の直線は内に進路を取って、見事に評判馬達を抜き去りました。
ソングラインは「オーストラリアに伝わる道。祖先の足跡」という意味。血統に刻まれている数々の名馬(祖先)のように、ソングラインがどのような道を辿るか、改めて楽しみが膨らむ勝利でした。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。

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