京雅の沓冠
(和歌)


「康太へと 捧ぐ勝ち」(秘められたメッセージ)

<京雅さんの和歌【沓冠】の解説>
 勝利騎手・調教師、双方がレース後のインタビューでまず口にしたのは、ジャスティンミラノに調教をつけ、影ながら同馬の活躍を支えた亡き藤岡康太騎手への思いでした。
 4月6日のレースで落馬・負傷し、10日に帰らぬ人となった藤岡康太騎手。その藤岡騎手が、直前まで跨り調教を行っていたジャスティンミラノが皐月賞を制したことは、競馬にはやはり、人々の思いを乗せて駆け抜ける、目に見えぬ何かが宿るスポーツかもしれないと感じさせる一戦となりました。
 ジャスティンミラノ、コスモキュランダ、ジャンタルマンタルの三つ巴の併走状態から勝者を決定付けたのは、皐月賞制覇という夢を叶えるために馬を鍛える藤岡騎手の思いかもしれません。
 隠れたメッセージ「康太へと 捧ぐ勝ち」。ジャスティンミラノ陣営の夢は日本ダービーへと続きます。


※ 【沓冠】とは・・・ 沓冠は「くつかむり」「くつかぶり」「くつこうぶり」とも読まれる。 和歌の折り句の一種で、10文字の語句を、「各句の初めと終わりに、それぞれ1字ずつ詠み込んだ」もの。
※【京雅】・・・競馬会をこよなく愛する歌人。はっきりと言えないことを、沓と冠に隠して相手に伝える達人。日々、平安貴族の世界に思いを馳せている。

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