草野太郎騎手

連覇がかかる中山グランドジャンプ、挑戦者としての気持ちで挑みたいと思っています。

草野太郎騎手をゲストにお迎えしてお届けする「藤原菜々花のWe♡horses」。エコロデュエル号と中山グランドジャンプ連覇へ向かう草野騎手。今年の意気込みは?騎手を目指したきっかけや、障害レースの魅力についてもお話を伺いました。

騎手を目指したきっかけは?

藤原草野さんが騎手を目指したきっかけは?

草野母の兄が千葉で乗馬クラブをしていたんです。だから、子供のころから馬にふれ合う機会はありました。で、実家は稲敷市だったので、小学校5年生の時に美浦トレーニングセンターの乗馬苑に通うことになったんです。

藤原それは、自分から行きたいと?

草野いや、半ば無理矢理(笑)。それまでも剣道やテニスを習っていて、両親は体を動かすことをさせたかったようなんです。で、せっかく近くにいい設備と、いい指導者がいるんだからと。乗馬を始めたきっかけが両親だったとはいえ、楽しくてスグにハマりました。JRAの施設なので、そこで競馬やジョッキーという職業を知りました。

藤原そこから騎手を目指し、競馬学校に合格なさったわけですが、学校生活はいかがでしたか?厳しかったという方が多いですが。

草野特に辛いと思ったことはないですね。たしかに、珍しいかも(笑)。同期に恵まれたおかげで、楽しかったんですよ。藤岡康太が一番のムードメーカーでしたね。で、浜中くんや調教助手になった大下智くんとか。関西のノリって、面白いですよね(笑)。今でも競馬場で会うと話しますし、同期は別格です。

藤原草野さんはデビューから障害に乗りたいと考えていたんですか?

草野そうですね。最初の師匠の坂本勝美先生が、学校生の時から障害馬の調教に乗せてくれました。馬を飛ばすのが楽しくて、デビューしても障害に参戦したいなと思っていましたね。

初めて乗った障害レース

藤原初めて乗った障害レースは覚えていますか?

草野もちろんです。デビューしてすぐの中山でした。最初から最後まで後方で、直線では前にかなり離されていたんです。でも、スタンドのファンの方たちが、わぁ~って拍手で迎えてくれました。なんだか、申し訳ないし、恥ずかしいし(笑)。

藤原これまでで、印象に残っている馬はいますか?

草野トーヨーピースですね。すごく性格が良くて、乗っていて安心できる子でした。新潟遠征の時、初めて家族が競馬を見にきてくれたんですが、その前で勝つことができました。まあ、娘は3歳ぐらいだったので覚えていないでしょうけど。昨年の中山グランドジャンプを勝った時も、家族が競馬場にきてくれていました。

藤原お嬢さんの前で勝つ姿が見せられて、うれしい1日でしたね。もうすぐ、中山グランドジャンプが行われます。レースの見所を教えてください。

草野中山グランドジャンプの名物と言えば、大竹柵ですよね。

藤原以前、中山の障害コースを見せていただいたんですが、自分の背丈ほどの高さがあってビックリしました。それに、障害の幅というか、厚みがスゴくて。※大竹柵は(高さ1.6m・幅2.05m)、大生け垣は(高さ1.6m・幅2.4m)。高さだけでなく飛び越える厚みもある超難関障害。

草野先日、バックヤードツアーに参加したんですが、一緒だった高田潤さんと、大竹柵のあまりの大きさに驚きました。ファンのみなさんも、「デカッ!」って言っていましたね(笑)。深い谷を下って、登るとそこに大竹柵が現れるんです。ツアーの時に谷の底で見上げたら、上にあるものは全く見えませんでした。よく、こんなコースで乗っているなって思いましたね(笑)。アドレナリンが出ているので大丈夫なんですけど、何でもない状態で見てビックリです。

藤原そこでの飛越と、位置取りの駆け引きが見所なんですね。

草野はい。ここに入るコース取りでロスしてしまうことが多いんです。うまく行けば、スタミナを消耗せずにポジションを上げることができます。馬もですが騎乗者の経験も問われます。たぶん、またジョッキーカメラをつけることになると思うので、レース後も楽しんでいただければと思います。いや、うるさいって言われちゃうかな?

藤原あの、草野さんのかけ声込みで楽しみなんですよ(笑)。グランドジャンプの時も、大障害の時も、一緒に戦っていたジョッキーさんたちが口々に祝福していて、みなさんの絆を感じました。

草野騎手仲間の存在はありがたいですよね。普段の調教も、自分だけではできないので、誘い合わせて行ったりします。助け合う機会は多いですね。そうそう、エコロデュエルが京都でのスクーリングの時、三段跳び障害に上がったら、怖くて降りられなくなったことがあるんです。その時は、石神騎手が迎えに来てくれました。仲間の馬が一緒なので、台から降りることができました。

藤原助けにきてくれたんですね。

挑戦者の気持ちで挑みたい

藤原草野さんにとって、障害レースの魅力は、どんなところですか?これから、騎手になって障害レースに参戦したいという子供たちも、たくさんいると思いますが。

草野僕が子供の頃は横山義行騎手や、西谷誠騎手が障害のトップジョッキーとして活躍していて、人馬で障害を飛越する姿は迫力がありました。それを見て、自分も障害で乗りたいな~と思ったんです。その頃は乗馬を始めていたので、馬も好きでしたしね。ですから、みんな「馬が好き」という気持ちを大事にしてほしいですね。

藤原最後に、座右の銘を教えてください。

草野「楽しむ」です。中山グランドジャンプも、レース前は緊張しますが、楽しもうと思って臨んでいます。まあ、レースを手放して楽しめることは、あまりないですけど(笑)。でも、ビッグレースに出るという貴重な時間を、少しでも楽しみたいですよね。障害は平場に比べてレース数が少ないので、ファンのみなさんが見る機会はあまりないですよね。どの馬もスタッフやジョッキーとみんなでコンタクトを取って作り上げてきました。エコロデュエルもその積み重ねで、ここまでこられたんです。そういうところにも、注目してほしいですね。

藤原いよいよ、中山グランドジャンプが4月18日に迫りました。草野騎手とエコロデュエルは連覇のかかった戦いです。

草野前走の阪神スプリングジャンプは2着でしたが、この時に僅差だった勝ち馬、ディナースタも参戦を予定しているそうです。続々と出走馬が決まってきて、僕らジョッキーもワクワクしています。エコロデュエルは昨年の中山グランドジャンプと年末の中山大障害を制して、2025年のJRA賞優秀障害馬に選ばれました。だから、ファンからすれば迎え撃つ立場に見えるでしょう。でも、挑戦者としての気持ちで挑みたいと思っています。

構成:スポーツ報知 志賀浩子

藤原 菜々花ラジオNIKKEIのアナウンサー。担当番組:「中央競馬実況中継」「ななかもしか発見伝!」「こだわり羽生結弦セットリスト」等

※この記事は 2026年4月17日 に公開されました。

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