社台コーポレーション・ノースヒルズ
初回は競馬学校編、そして前回の静内農業編高校編につづいて今回は、競走馬が命を育む大切な場所。
『生産牧場・育成牧場・種馬場』
で働く皆様に取材させていただきました。
牧場仕事のポータルサイト、BOKUJOBでは定期的に牧場と牧場で働きたい人をつなげるイベントを開催しています。
今回は東京競馬場で行われたイベントにお邪魔しました。“現場で求めている人材”とは?ブースを構えている牧場さんにお話し聞かせていただきました!今回は第3回目です。

【有限会社 社台コーポレーション】


吉田照哉氏、勝己氏、晴哉氏による共同運営の会社で、種牡馬部門の社台スタリオンステーション、繁殖部門の白老ファーム、中期育成部門の白老ファームイヤリングさらに診療部門の社台ホースクリニックを有し、生産から中期育成まで一貫して行っています。ステイゴールドやオルフェーヴル、ジャスタウェイなど、ワールドワイドな活躍馬を輩出しています。社台コーポレーション社台スタリオンステーション事務局 鈴木聖佳さん、寒川琴子さんにお話をうかがいました。
藤原社台コーポレーションさんとは、どんな会社なんでしょう?
鈴木吉田ファミリーの共同経営ですので、社台グループの共有財産を、社台コーポレーションで管理しています。例えばクリニックやスタリオンなどです。
藤原生産や中期育成の部門もありますよね。
鈴木そうですね。グループの共同経営ですので、社台ファームやノーザンファーム、追分ファームの馬も預かっています。グループすべての牧場の馬を管理できることが、社台コーポレーションの一番の強みではないでしょうか。牧場にはそれぞれの管理方針がありますが、弊社にいればすべてのやり方を経験できます。ホースマンとして幅広く知見を高められます。
藤原各牧場の管理方針があるんですね。
鈴木飼い葉の管理の仕方はもちろん、成長過程での削蹄に関する考え方、治療方針などそれぞれです。
藤原入社を考える学生さんたちから、一番多い質問はなんですか?
寒川高校も大学も馬術部ではなかったし、馬は未経験だけど大丈夫か?と一番よく聞かれます。
藤原実際に未経験でも入社できるんですか?
鈴木初心者を教えるスキルは、私たちの方にあるので、馬が好きという気持ちさえあれば大丈夫です。インターンシップも積極的に受け入れているので、ぜひ参加していただきたいですね。
寒川競走馬を育てる仕事はいい事ばかりではありません。
馬が好きという強い気持ちがあれば、あらゆる場面で支えになると思いますし、向上心にもつながると思います。藤原スタッフはどのぐらい、いらっしゃいますか?
寒川140~150人ほどいます。若い世代が多いので、意見交換も活発です。厩舎長も若い人が多いですし、風通しのいい職場だと思います。
藤原採用は主に現場スタッフですか?
鈴木そうですね。白老ファームや白老ファームイヤリングからスタートしていただく場合が多いです。社台スタリオンで種牡馬を扱うには、非常に高いレベルが求められますので、キャリアを積んでからになります。
藤原いずれは、社台スタリオンステーションへというキャリアを考えてい方は多いのでしょうか?
鈴木とても大変な仕事と理解されているので意外と少ないです。それでも有名な種牡馬を扱かってみたいと志願する方は毎年います。
藤原それぞれの、お仕事のやりがいは何でしょう?
鈴木牝馬が現役を引退してお母さんになるために牧場に帰ってくることはよくありますが、弊社はスタリオン部門もありますから、ごくまれなケースですが牡馬も戻ってくる可能性もあります。種牡馬として凱旋できることはかなりうれしいことです。
藤原種牡馬となったかつての担当馬に、また携われるかもしれないんですね。
鈴木はい。オルフェーヴルやジャスタウェイのような世界で活躍する馬に携わったスタッフは、さらに上へ!とモチベーションが上がりました。彼らの今の目標はオルフェーヴルの産駒で凱旋門賞を獲ることになっています。これからも馬が大好きな方が門を叩いてくれて私たちと同じような体験をしてくれると嬉しいですね。
【NORTH HILLS】


オーナーブリーダーの牧場で、3冠馬・コントレイルを育て上げたほか、キズナやワンアンドオリーなど数え上げたら切りがないほどの名馬を輩出してきました。有名馬を扱う現場では、どんな人材を求めているのでしょうか。株式会社ノースヒルズ代表取締役 福田洋志さんにお話おうかがいしました。
藤原ノースヒルズさんの一番の特徴は?
福田多くの牧場がマーケットブリーダーですが、ノースヒルズはオーナーブリーダーです。生産した馬は、グループの所有馬として競馬場で出走します。北海道にあるノースヒルズと鳥取県にある大山ヒルズで分業し生産、育成を行っています。
藤原一貫して管理しているんですね。
福田そうですね。デビューしてからもレーシングマネージャーがレーススケジュールや動向を把握しています。引退後は、お母さんとして牧場に戻ってくる、ここまで一貫して自分たちで行っているのが一番の特徴です。
藤原こんな人にきてほしいという希望はありますか?
福田高校生活、大学生活を一生懸命、充実して過ごしてきた若者にチームに加わってもらいたいですね。馬の知識は問いません。僕自身、大学の獣医学部時代は馬術部出身ですが、競馬のことは全く知らずに入りました。
藤原一貫して管理するとなると、たくさんの部署があるんですよね?
福田大きく分けて4つになります。生産と中期育成、調教を行う後期育成、それとデビューしてからの競走馬を管理する部署です。生産は母馬と離乳までの仔馬を扱います。中期育成では生後半年で離乳した当歳馬を1歳の秋まで管理します。1歳の秋に大山ヒルズへバトンタッチし、調教を行います。
藤原ここ数年の採用実績は?
福田今年は3名入社しました。来年は4名が入社予定です。入社後は、生産と中期育成を半年ずつ経験してもらうことになっています。1年たったところで、希望の部署を聞いて配属先を決定します。
藤原このお仕事で、やりがいを感じるのは、どんな時ですか?
福田手がけた馬の活躍が一番ですね。あとは、引退後にお母さんとして牧場に帰ってきてくれるものも嬉しいです。競馬場にレースを見に行く研修制度があるんですが、G1の場合は何人かパドックに入れますし、勝ってくれれば口取りに参加できます。忘れられない経験になりますよね。
藤原やはり、コントレイルのように、担当馬が3冠を達成!という経験もうれしいですよね。
福田ノースヒルズでは担当制を取り入れてないんです。コントレイルも担当者はいなくてみんなで育てました。スタッフみんなコントレイルの体温を計りましたし、怪我をしていないかチェックもしました。全員、コントレイルの収牧、放牧の経験があります。
藤原みんなで全頭を管理しているんですね。
福田そうですね。毎年60頭ほど生まれますが、みんなで全頭を管理しています。
藤原じゃあ、レースはみんなでワクワク、ドキドキですね。
福田新馬戦なんかは特に、無事にゴールできるようにと緊張するばかりです。キズナのダービー制覇の時は、現地にいたスタッフみんな泣きそうでした。
藤原東京競馬場までいらしたんですね。普段は北海道で、寮にお住まいなんですよね?
福田そうです。出産があるので。お産シーズンは出産のサポートのため、夜に仕事に出ることもありますから。牧場内に男性寮、女性寮があり、食事はクッキングスタッフが3食作ってくれます。
藤原お休みはありますか?
福田いまは、隔週での週休2日です。来年からは毎週2日休めるようになる予定です。
藤原普段のお仕事の流れを教えてください。
福田通年の昼夜放牧というシステムを取っているので、馬たちは午前中だけ馬房で過ごしています。ですから、朝一番に放牧地にいる馬たちを馬房まで連れてきて、体温を計り怪我がないかなどのチェックをします。一段落したら休憩をはさんで、ブラッシングなどの手入れや、馴致の仕事に入ります。幼稚園の子供のお世話のような感じですね。
藤原お母さんに髪をとかしてもらって、お稽古して…に似てますね。
福田そうですね。愛情が大切です。それが終わったら11時頃から放牧に出します。午後は厩舎の清掃です。また、広い牧場なので環境の整備などもします。
藤原そのお仕事を通じて、セカンドキャリアを目指す方もいらっしゃるんですか?
福田 : JRAの厩務員さんを目指す人などがいます。入社時から調教師になりたいと言って実現した元スタッフもいます。河嶋宏樹調教師です。藤原すごいですね。入社にはインターンシップに参加することは大事になってきますか?
福田大切だと考えています。どの牧場にするか見定めるうえで重要だと思います。複数の牧場のインターンシップに参加して、職場の環境やスタッフの雰囲気などを見比べてほしいですね。その中で、ノースヒルズの社風が合っていると感じたら、入社を考えていただければと思います。
構成:スポーツ報知 志賀浩子
Photograher:山口比佐夫
広報担当:井手尾

藤原 菜々花ラジオNIKKEIのアナウンサー。担当番組:「中央競馬実況中継」「ななかもしか発見伝!」「こだわり羽生結弦セットリスト」等