BOKUJOB特集 北海道静内農業高等学校

目指せG1ジョッキー!未来のG1ホース!北海道静内農業高等学校の生徒さんたちに直撃インタビュー!

引き続き井手原ナナカが突撃取材。今回は北海道静内農業高等学校の生徒さんたちをご紹介します。育成牧場のスタッフや、装蹄師など目指す職業はそれぞれ。でも馬を思う気持ちは、みんな一緒です。

2026年度競馬学校騎手課程(第45期)合格おめでとうございます!

【目指すはG1ジョッキー・山田向日葵さん】
ナリタトップスターの2024のことを、生徒さんたちは“天翔(カケル)”と呼んでいました。“天翔”が生まれた時、「最初に体を拭いたのは私なんです。母馬が破水したと聞いて寮から厩舎に駆けつけました」と当時の思い出を話してくれたのは、山田向日葵さんです。

東京出身の彼女は、「6歳の時、中山競馬場の乗馬センターで乗馬体験をしたんです。その時、ビビビッときました。もう、馬しかない!って」。「絶対に騎手になる」という彼女は今、寮生活をしながら競馬学校の騎手課程合格を目指しています。「授業だけでなく、部活も馬術部に入っているので、常に馬と一緒にいられるのがいいですね。勉強になります」と馬漬けの日々を楽しんでいます。学校には13頭の馬がおり、そのお世話をしながら騎手学校合格のためのトレーニングなどもこなしているとのこと。

「馬に乗っている時が、一番楽しい」という山田さんにとって、騎手は天職かもしれないですね。武豊騎手の大ファンという山田さん。夢は静内高校の生産馬で、ビッグレースを制覇すること。目指せ、G1ジョッキー!

【生産牧場で未来のG1ホースを作りたい・石井久優くん】
ナリタトップスターの2024こと、“天翔”が無事に落札されたことで、石井くんは「天翔の良さを評価してもらえました。うれしいですね」とホッとした笑みを浮かべていました。セリの前の練習では「天翔とコミュニケーションが取れず、最初はうまく曳けませんでした。でも、何日かすると、ちゃんと曳くことができるようになりました」と“天翔”との日々を振り返ります。

出身は埼玉県の富士見市。お父さんのご実家が北海道で、その近くの乗馬クラブの先生が、静内農業高校の存在を教えてくれたそうです。やはり、選択授業で“馬学”や“馬利用学”が学べることが決め手となって、この学校に入学しました。「1頭の仔馬が生まれた時から、成長していく過程が見られるのは魅力です」と話します。

馬を扱う上で大切にしているのは「みんな性格が違うので、それをどう読み取って馬と折り合いをつけていくかですね」と、馬ファーストを心がけているとのこと。とにかく「馬がかわいい」という石井くん。来年の3月の卒業後は生産牧場で仕事をすることを希望しています。第一志望は国内有数の生産牧場、白老ファームです。

石井くんは「ずっと、馬に携わっていきたいと思っています。お世話になった登別の乗馬クラブの馬は道産子なんです。道産子は個体数が減ってきているので、いつかは自分の牧場を持って、種の存続に協力していきたいと思っています」

【装蹄師になって競走馬の命、蹄を守りたい・工藤瑶太くん】
道内生まれの工藤君ですが、出身地の恵庭市から静内までの通学は難しいため、入学を期にお母さんと学校近くに引っ越しをしました。この学校を選んだのは、「装蹄師になりたい」という夢を実現するため。「脚は馬の命です。それに、携わる装蹄師さんはスゴイです」と目を輝かせます。

「馬事コースは人気で、20~25人ほどいます。その中の5人がセリにきます。今年3、4月頃からセリに向けての曳き馬の練習を始め、本番が近くなると休日や放課後も練習時間になりました」と、ここまでの道のりを語る工藤くん。青春まっただ中で、お休みもあまり取れない日々ですが、「好きなことをしているので、全然苦になりません。というか、楽しいです」とうれしそう。

卒業後はまず大学に行き、ゆくゆくは「日高に戻って装蹄師になりたい」という工藤君。同校には、ほかにも装蹄師を目指す生徒がいて、日々勉学に励んでいるそうです。

【即戦力として川崎競馬の厩務員に・鈴木太一くん】
卒業後、南関東競馬の川崎・長友豊厩舎に厩務員として入ることが決まっている鈴木くん。すでに、授業で馬を扱っているので、即戦力として期待されています。テレビで見て、馬の仕事をしたいと思った鈴木くん。小学校5年生から乗馬を始めました。「競馬で力強く走る姿を見るのも、一緒に障害を跳ぶときの一体感も好きです」と、とにかく馬が大好き。高校進学の時は「唯一、公立で馬の生産をしている高校なので決めました」。

鈴木くん自身は乗馬経験者ですが、「馬の経験がなくても大丈夫です。それより、馬が好きという気持ちが一番だと思います」と、これから入学してくる未来の後輩たちに、アドバイスをくれました。

生まれたときから一緒だった馬は、セリでオーナーに落札されれば競走馬デビューのために、学校から旅立って行きます。「高く売れれば自分たちの仕事が認められたと感じられる。でも、うれしい反面、1年以上一緒にいた馬がいなくなるのに寂しい気持ちもあります」と胸の内を明かしてくれました。

4月からは現場に出て厩務員さんに、プロとしての生活が始まります。「これまでは、先生がいて、いろいろとフォローしてくれました。でも、これからは自分で考えていかないといけませんよね」と気を引き締めていました。目標は「川崎の重賞を勝ちたい」という鈴木くん。ホースマンとしてのスタートは、もうすぐです。

取材後記
今回、セプテンバーセールにて静内農業高校の先生と生徒さんに取材させていただいて、改めて感じたのは、皆さん馬をとても愛しているという事でした。中学生の時点でこの世界に飛び込む決断をして、全国各地からはるばる北海道の新ひだか町まで学びに集まる。それは本人の固い意思とご家族の深い理解があってこそです。

どの生徒さんも高校生とは思えない、しっかりした受け答えをしてくれました。そこには強い信念や想いがありました。こんな優秀でしっかりした若い人たちが日本の競馬界に入ってきてくれるという事がとても嬉しくもあり心強いと感じました。そして、生徒さん達を厳しくも優しく指導して支えている先生方の情熱も素晴らしいものがありました。

日本の競馬は世界でもトップを争うレベルになりました。彼らのような若くて優秀な人材が競馬界で働いてくれて支えてくれているからこそです。

今回取材させていただきました、静内農業高校さんは卒業するまでに馬に対しての心構え、取り扱いが一通り身につくので、各牧場さんや調教師さんの評判は上々で、即戦力として期待できるとの事でした。将来、真剣に馬の世界に飛び込もうと考えている中学生の皆さん、また親御さんには選択肢の一つとして知っていただければ幸いです。

We♡horsesでは、これからもより多くの人が馬の世界に興味をもってもらえるように、そして馬の世界で働いてみたい人、厩務員、騎手になりたい人が増えてくれるよう情報発信していきたいと思います。

また次回はBOKUJOBを取り上げて参ります。

藤原菜々花アナウンサーが生産牧場、育成牧場、スタリオンなどなど、いろんなお仕事に切り込んで取材しております!馬の世界で働いてみたい方!ちょっとだけ興味がある方も必見です!どうぞお楽しみに。

北海道静内農業高等学校の皆様、取材へのご協力ありがとうございました。

構成:スポーツ報知 志賀浩子
Photograher:篠原美穂子
北海道市場取材、写真、取材後記 広報担当:井手尾
(井手原ナナカ)

藤原 菜々花ラジオNIKKEIのアナウンサー。担当番組:「中央競馬実況中継」「ななかもしか発見伝!」「こだわり羽生結弦セットリスト」等

※この記事は 2025年11月9日 に公開されました。

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