BOKUJOB特集 北海道静内農業高等学校

北海道静内農業高等学校でホースマンを目指す生徒たちの学校生活や将来の夢に迫る!

北海道静内農業高等学校は北海道日高郡新ひだか町にある公立の農業高校。生産科学科の馬事コースでは、全国の高等学校で唯一サラブレッドの生産を行っており、ユメロマン、ゴーゴーヒュウガといったJRAで勝利を挙げた馬も輩出してきました。

3年間で出産から馴致などを一貫して学び、その集大成となるのがセリ。今年も北海道市場の1歳市場「セプテンバーセール2025」に、アツコの2024と、ナリタトップスターの2024の2頭を上場。どちらも、落札されました。今回は中山馬主協会広報委員の井手尾+ラジオNIKKEIアナウンサーの藤原菜々花がホースマンを目指す彼らの学校生活や将来の夢などに迫ります!

まず、生産科学科の馬部門を指導する小林先生と、今年赴任してきた篠田先生、進路指導部長の廣谷先生に学校の特徴をうかがいました。

「日本全国から生徒たちが集まってきます。馬事コースは北海道出身の生徒は少なくて、約8割が道外出身者です。これは、うちの学校ならではでしょうね」と篠田先生。メディアに取り上げられることの多い静内農業高校。

テレビ、雑誌で現役の生徒さんたちの姿を見て、入学を希望する子どもたちが全国からやってきます。

遠方から入学する場合、町内での下宿が可能です。朝晩のご飯付きで、学校給食もあるので3食には困りません。なかには一家でお引っ越ししてくる場合もあるそうですが、近隣にスーパーマーケットもあり生活面での苦労はない環境です。

では、いざ入学すると、どんな授業があるのか。ある1年生の月曜日のカリキュラムは、午前中に英語、数学、社会、国語と一般的な授業があり、午後は農業の授業。1週間で見ると、1日6時間授業が1週間。合計30時間の授業の中で、8時間が農業科目となります。2年生になると30時間中、馬関連の授業が11時間になるそうです。

3年生になると専門知識を学ぶ授業が増えていきます。たとえば1、2時間目が国語と社会で、3、4時間目に専門的な農業の科目、5時間目が体育で、6時間目がまた専門科目などなど。日によって違いますが、どんどん馬への知識が増し、理解が深まっていきます。また、毎週火曜日はデュアル派遣実習の日。朝から近隣の牧場に行き、現場で実戦的なことを学びます。選択授業なので、大学への進学を希望する生徒さんは、この時間に英語や数学を選ぶことも可能です。

休みもちゃんと取れますよ。「基本的に馬に携わるのは生徒の授業時間と部活動の活動時間のみです。ただ、出産の時期だけは指導する教員立ち会いのもと、夜に出産の現場に行くことはあります。

この時の生徒たちの眼差しは、みんな真剣です」と廣谷先生。馬の出産という重要な場面に向き合うことで、より馬への理解を深めているんですね。

3年間で馬に関する体系的なことを学び、卒業後は北海道の牧場や、さらに馬術を極めるということで馬術部のある大学へ進学する生徒さんもいるなど様々。大変なことはたくさんあるはずですが、どの生徒さんも「馬への熱意をもって入学してくるので、みんな毎日楽しそうですよ」と篠田先生は言います。

部活動で馬術部に入れば、まさに毎日が馬漬け。現在46名の生徒さんが馬術部に在籍しているとの事。学校には13頭の馬がいて、そのうち9頭が乗馬馬(ほか繁殖2頭、育成馬2頭)です。

顧問の小林先生は「志の高い生徒が多い」とのことで、授業も部活も、みんな熱心に取り組んでいます。

クライマックスはセリへの上場。みんな、素敵なオーナーとご縁があることを願っていますが、落札されれば学校を去って行きます。「やはり、うれしい反面、さみしいという生徒はいます。でも、実際に競馬場で走る姿を見ると喜んでいますよ。別れも経験です」と廣谷先生。

今年も、生徒さんたちが大切に育んできた2頭、アツコの2024とナリタトップスターの2024が北海道市場の1歳市場「セプテンバーセール2025」に上場され、どちらも無事に落札されました。落札したオーナーにお話をうかがいました。

【ナリタトップスターの2024を落札・犬塚悠治郎氏】
高校生が頑張って育てていた馬ですからね。以前から、応援したいと思っていました。どうしても買いたかったので落札できて本当にうれしいです。

カラヴァッジオ産駒でデキも良かったし、賢そうなので、どんどん競馬を覚えていってくれそうです。

JRAでのデビューを目指して、大事に育てていき、新馬勝ちを狙います!

【アツコの2024を落札・金岡信康氏】
父は今年産駒デビューのミスチヴィアスアレックス。その産駒は2勝を挙げています。その血統背景も魅力ではありますが それ以上に、高校生のみなさんが力を合わせて、一生懸命に育てきた馬ですので、彼らの想いを引き継ぎ、一緒に夢を描きたいと思い、このご縁となりました。

まだ厩舎は決まっていませんが、私の地元は関西なのでJRAであれば栗東、地方であれば兵庫県になるかと思います。 まずは怪我や病気をすることなく、最後まで走り切って欲しい。それが一番の望みです。

みなさん、高校生の頑張りを応援したいという思いが強いようです。順調に調整され、競馬場で走る日が楽しみですね。

構成:スポーツ報知 志賀浩子
Photograher:山口比佐夫・篠原美穂子
北海道市場取材、写真 広報担当:井手尾

藤原 菜々花ラジオNIKKEIのアナウンサー。担当番組:「中央競馬実況中継」「ななかもしか発見伝!」「こだわり羽生結弦セットリスト」等

※この記事は 2025年11月8日 に公開されました。

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