重賞で依頼をいただけるよう1つ1つのレースを大事に乗って勝てるように頑張りたい。

馬の個性を把握するには?
藤原横山さんは、馬の個性をどうやってキャッチしているんでしょう?
横山初めて乗る場合はなるべく調教で乗るようにしています。どうしても乗れない時は、レースのVTRを事前に確認して、「こういう馬かな」と、何となくのイメージをつかみます。あとはもう、レース前の返し馬やゲート内の仕草を見て、事前のイメージと照らし合わせる感じでしょうか。なるべく早く個性を把握できるようにと思っています。
藤原調教では調子がいいな~とかをつかんでおくんですね。
横山そうなんですけど、そうとも限らないのが難しいところです。水曜の追い切りでの感じたことが、合っているとは限らないですから。調子がいいと感じなかった場合でも、勝つことはあります。例えばトクシーカイザーの甲州街道特別の勝利とか…。
藤原そうなんですか!?
横山本当は石川(裕紀人)先輩に騎乗依頼が来ていたんですが、先輩はすでに他の騎乗依頼があったので、僕に回ってきたんです。でも、調教の手応えはあんまり良くなかったんですよね。それも、先輩に話していたんです。
藤原でも、すごく強かったですよ。ご一緒に今年6月22日、東京ダート1400mで行われた、甲州街道特別のVTRを見てみませんか?
横山いいですね~。
藤原では、見てみましょう。今、スタートを切りました。
横山大外枠発走ですよね。普段はある程度のレースプランは立てるんですが、大外枠の時は出たなりのことが多いんです。そして、リズム重視ですね。この時もそうでした。
藤原内枠の時はどうなんですか?
横山スピードのない馬の後ろにつけたら、下がってきた時は大変ですよね。だから、相手関係を確認して騎乗しています。
藤原いま、中団の外を追走しています。
横山ペースが速かったので、いい位置にハマりました。いま、3コーナーですが、もう馬がうなってますよね。
藤原かなり早い段階で、前に並びかけていったんですね。
横山で、4コーナーです。この時点で、負けないなと感じていました。斜め前の馬があまり進まないと感じたので、早めに出していきました。本当は東京の長い直線を考えると、あまり早く前に行きたくないんです。でも、この時はねぇ。直線に入っての手応えが違い過ぎたので、残り200mでしたがそのまま行きました。追っての伸びも良かったですよね。
藤原グングン伸びて、3馬身差の快勝です。
横山道中の手応えはずっと良かったし、強かったですよね~。石川先輩にレースが終わってから「勝ってるじゃん!」って言われて(笑)。本来の能力が高いんでしょうね。この馬の場合、「いまひとつ」と感じたほうが走るのかもしれないです。そういう馬っていますから。本当に調子がいい時は、もっと強いのかもしれないですし。
藤原難しいですね。
横山以前、トクシーカイザーに乗った時は芝1800m戦だったんですが、その時に短い距離のほうが良さそうかなと感じていました。だから、ダート1400mに替えたのが良かったかもしれません。トクシーカイザーは自分でちゃんと走ってくれるし、乗り手としてはホントに楽です。強い馬って、こういうことなんですよね。

G1を経験して変わったこと
藤原このレースも見事でしたが、これまでで一番、印象に残っているレースは?
横山やっぱり、初のG1騎乗となったフィールシンパシーの2024年ヴィクトリアマイル(12着)ですね。今まで見ているだけだったレースに参戦できました。まず、パドックから平場とは雰囲気が違いました。でも、いつも乗っている馬だったので思ったほど緊張しなかったし、意外と冷静だったと思います。
藤原G1を経験したことで、何か変わりましたか?
横山はい。いつかG1を勝ちたいって、より思うようになりました。というか、その前に重賞に勝たないと。そのためには、今中心に乗っているローカルで頑張って結果を出さないといけませんよね。そう考えると、石川先輩はスゴいです。重賞を10勝して、そのうち1つはチャンピオンズCですもんね。
藤原それって、石川騎手に伝えました?
横山いやいやいや、照れくさいですよ(笑)。
藤原横山さんにとって、ジョッキーという仕事の魅力ってなんでしょう?
横山競馬学校の時、日高の育成場でセリに出る前の馬に乗る機会がありました。僕が乗った段階では、すでに人が乗れる馬になっていたんです。つまり馴致をして、そこまで育ててくれた人たちがいるってことですよね。育成場で乗ってくれていることで、トレセンにきてすぐ調教が始められます。1頭の馬がレースに出るまでに、たくさんの人が関わっています。その最後を任されるのがジョッキーです。うまく乗れなくて申し訳ないと思うことも多いですが、勝ったときはすごくうれしいんですよ。
藤原たくさんの人が、喜んでくれますもんね。
横山はい。特に自厩舎の馬で勝てるとうれしいです。いつもお世話になっているスタッフさんの担当馬たちですから。それに、自分が調教で乗って作ってきた馬なので、こういう調教をしたから勝てたという実感が、よりわきます。

体重の調整に苦労は?
藤原そのお話をうかがうと、競馬はチームプレーだなと改めて感じます。その思いが騎手を目指す子供たちに伝わるといいですね。いま夏休みで、ジョッキーベイビーズの予選が行われています。
横山ジョッキーベイビーズは、いまや騎手への登竜門のようになっていますよね。
藤原横山さんも、2015年に予選を勝ち抜いて本戦に出場しています。騎手を目指す子が、今年も参戦していると思いますが。
横山ジョッキーになるのは大変な道のりがありますが、本当にやりがいのある仕事です。勝った時は、ジョッキーにしか得られない喜びがありますし、目指してくれるとうれしいですね。で、ぜひ競馬で一緒に乗れたらいいなと思います。
藤原たしかに、ジョッキーへの道のりには、いろいろと大変なことが。そういえば、横山さんは体重の調整に苦労は?
横山まったく気にしていないんです。同世代の騎手も、そういう人は多いですよ。みんなで焼き肉とか、結構行きます。僕は体重が軽いので、土日のレースが終わったら、減った分を食べて増やしているんです。とくに、夏は暑くて減ってしまうので。
藤原体重調整の苦労がないのは強みですね。
横山そうですね。僕はお風呂に長くつかったり、サウナに入るのが苦手なので、その点は良かったです。あっ、焼き肉ばかりではなく、野菜も食べるように気をつけていますよ(笑)。

今後の目標は?
藤原気持ちの切り替えはいかがですか?うまく乗れなかったときとか。
横山引きずらないようにしています。レースは勝てる時もあれば、勝てない時もあります。ですから、1つのレースが終わったら、次のレースに集中です!その週の開催が終わったら、翌週は反省を生かして臨みます。
藤原すぐにレースがくるから、強制的に切り替えられるってことですね。月曜はいったんお休みになりますし。そのプライベートな時間は、どう過ごしているんですか?
横山休みは一日寝ていることが、多いですかね~。年に何回か、父に誘われた時にゴルフに行くぐらい。でも、僕があまりゴルフをしないので。もう、休みの日まで動きたくないです(笑)。
藤原激しいレースをした後ですもんね(笑)。
横山趣味らしいものはないです。平日も仕事を終えて仮眠をして、起きたらジムに行く。夜は後輩とご飯に行って、中身のな~い話をして(笑)。美浦の騎手は、みんな仲がいいんですよね。
藤原たわいのない話をするのも、ストレス発散になりますよね。最後に、座右の銘を教えてください。
横山「毎日笑顔」です。騎手は騎乗依頼があってこその仕事です。笑顔で調教師の先生やスタッフのみなさんとコミュニケーションを取るほうがいいですよね。
藤原横山さんは明るいし、周囲の人がハッピーになりそう。
横山そうですか?もともと、暗いタイプではないんですよね(笑)。だから、これが普通なんです。人見知りでもないですし。
藤原それは、騎乗依頼を得るには大きな武器ですね。横山さんご自身の今後の目標を教えていただけますか?
横山そうですね。まだ重賞を勝った事がないので、重賞で依頼をいただけるように1つ1つのレースを大事に乗って勝てるように頑張りたいですね。
藤原最後にファンの皆様、読者の皆様に一言お願いします。
横山これからも一生懸命頑張りますので応援の程宜しくお願いします!

構成:スポーツ報知 志賀浩子
Photograher:山口比佐夫
広報担当:IDEO

藤原 菜々花ラジオNIKKEIのアナウンサー。担当番組:「中央競馬実況中継」「ななかもしか発見伝!」「こだわり羽生結弦セットリスト」等