厩舎関係の方たちに会って、馬を家族のように愛している温かさにふれて、より競馬が好きになりました。

競馬をはじめたきっかけは?
藤原熊崎さんはスポーツ紙で競馬予想をしていらっしゃいますが、そのきっかけは?
熊崎SKE48の先輩の後を引き継ぎました。なぜ、私なのか聞いたら、「一番、競馬に縁がなさそうだった」からだそうです(笑)。
藤原メンバーの中の大穴ですね(笑)。
熊崎そうなんですよ。でも、本当は違うんです。父が競馬好きで、実家のテレビで土日は競馬番組を見ていました。よく、父に「どのお馬さんが、かっこよく見えた?」って聞かれていましたね。「このお馬さん、目がクリクリしてかわいい!」とか、自分の誕生日の馬番を言っていました。純粋な子供のほうが、当たるってことですかね(笑)。
藤原その頃、印象に残っている馬は?
熊崎オースミハルカですね。私の晴香と同じ名前なので、「このお馬さん好き!」と言っていました。
藤原じゃあ、競馬のお仕事には入りやすかったですね。
熊崎身近に感じていましたからね。ファンの方たちは「くまちゃんに、できるの?」って心配していましたけど(笑)。でも、好きになったら、とことんって性格なので、ハマりましたね~。

熊崎さんといえば、万馬券
藤原熊崎さんといえば、万馬券です。これまで、どんな馬券を的中させたんですか?
熊崎札幌記念は2年連続で3連単で的中させました。
藤原えぇ~、23年は1着プログノーシス、2着トップナイフ、3着ソーヴァリアントで16万8930円ですよ!
熊崎自分でもビックリです。プログノーシスは金鯱賞の勝ち方が強くて、「今後も追っていかないと」と思っていました。23年の札幌記念の当日は劇場だったので、メンバーとレースを見ていたんです。勝って「うれしい~!」って喜んでいたら、メンバーに「今晩のご飯、おごりでお願いします」って(笑)。
藤原24年の1着ノースブリッジ、2着ジオグリフ、3着ステラヴェローチェも当てたんですよね。
熊崎はい。前年のこともあったので、ぜひ現地で見たいと思って、当日は札幌競馬場にプライベートで行きました。パドックでノースブリッジが輝いていたんですよね~。それに毛ヅヤが良くて、筋肉の張りもいいし、堂々と歩いていました。この馬を頭にして馬券は買うべきだなと。あとは、当日の馬場が前残りだったんです。
藤原読みはバッチリですね。
熊崎でも、ノースブリッジはチョロっとスタートは遅れちゃったんですよ。それでも、すぐに2番手につけました。向正面で逃げたアウスヴァールに離されたんですが、「ついて行っちゃダメ~。自分のペースを守って~」って。で、その後の仕掛けのタイミングはピッタリ。「そのまま行ってください!」と。ゴール前は叫びましたね。
藤原もう大興奮ですね。この時の3連単は8万3130円でした。
熊崎札幌まできて良かった~って。思った通りの展開になりましたし、現地で見るレースの迫力もスゴかったです。2度あることは3度あるってことで、今年も当てたいですね。
藤原そのほかに大きく当てたのは?
熊崎ライトウォーリアが勝った24年の川崎記念ですね。この時も劇場でライブ中だったんですが、公演が終わったらファンから「ありがとう!」って声がかかって、私が踊っている間に、逃げ切り勝ちしていました(笑)。あとは、レイパパレが制した21年の大阪杯も当たりました。
藤原どちらも逃げ馬ですね。ファンと一緒に競馬を楽しんでいらっしゃるのはステキです。
熊崎ホントそう!私の予想に乗ってくれる人もいるし、握手会の時に展開の話もできるし楽しいです。

競馬の魅力とは?
藤原馬券のほかに、競馬に魅力を感じるのは、どんなところですか?
熊崎はじめた頃は、レースの“勝った負けた”ばかり気になっていました。でも、お仕事を通じて厩舎関係の方たちに会って変わりました。みんな馬を家族のように愛しているんです。馬も、それに応えようと懸命に走ります。その温かさにふれて、より競馬が好きになりました。年代が違う人とも、競馬の話で盛り上がれる所がいい所ですね。
藤原週末のG1の予想を語りあったり(笑)。
熊崎そうなんです。あとは、奇跡が起きるところも好きです。データで勝てないと言われていた馬がビッグレースを制したり、そこに勝利への物語もあったり。絶対なんてないって勇気をもらえます。
藤原奇跡が起きたレースとして、印象に残っているものは?
熊崎22年のオークスですね。スターズオンアースは大外枠から勝利しました。私、本命だったんですよ。ファンからも「データ的にないよ」って言われて。でも、勝ったので「ほら見ろ!馬の頑張りや、スタッフの方たちの力でデータなんて覆るんだ!」って。ファンの方たちには「くまちゃんを信じればよかった」って言われました(笑)。
藤原ほかに、感動したレースはありますか?
熊崎19年の有馬記念です。レース前、栗東にお仕事でお邪魔したんです。この時、リスグラシュー、サートゥルナーリアに会いました。初めてサラブレッドを間近で見たので、大きさと迫力にビックリしました。観光牧場のポニーとは全然違うし、筋肉むきむきで血管が浮いていて「うわ~、すごい!」って。それに、縁を感じる出会いもありました。サートゥルナーリアの担当助手さんが、私の古参ファンの方だったんです。
藤原推しが取材に…!相当喜んでいらしたのでは?
熊崎「こんなところで、会えると思わなかった」とおっしゃっていました。私もうれしかったですね。リスグラシューの担当の方は「無事に走ってきてくれれば」と話していました。その言葉を聞いて、レースを終えるって当たり前のことじゃないんだ、感謝しなければと改めて感じました。その縁のできた馬が1、2着。頑張っている姿は感動的でした。一生忘れないなと思いましたね。
藤原もう、馬の虜ですね。
熊崎抱きしめたいです!お馬さんのストレスになるので、できないですけど(笑)。でも、本当はギュ~としたいぐらい大好きです。あのクリクリの目も、ニンジンを見て「ほしいよ~」っていう姿も好き。レースの時とは全然、違いますよね。これが、ギャップ萌えか!って。

馬名に込めた願い
藤原ご多忙ですが、馬とふれあう機会はありますか?
熊崎私が馬名をつけさせてもらった、サクラセンターベアちゃんに会いに行きますよ。春の生まれだからサクラ。で、私と同じように、この馬にも競馬界のセンターを目指してほしいという願いを込めました。
藤原ベアは熊崎さんの「クマ」からですか?
熊崎いえ、イタリア語で「幸運」という意味のベアにちなみました。もう、馬房にいるサクラセンターベアちゃんがかわいくて、かわいくて。中山でのデビュー戦(10着)に和田竜二騎手が乗ってくれました。普段はお嬢様気質らしいんですが、最後までしっかり走ってくれました。和田さん曰く、「イケメンの言うことは聞く」らしいです(笑)。
藤原乙女なんですね~(笑)。
熊崎3戦目から笠松に転入したんですが、会いに行くと甘えてくれるので「私って、サクラセンターベアにとって特別?」ってうれしくなります。
藤原我が子のような存在ですね。
熊崎ほんと、そうです。これが、親心なんだって。「無事に」って毎回思うし、取材の時に厩舎の方たちが言っていたことが分かります。競馬感が変わりましたね。

構成:スポーツ報知 志賀浩子
Photograher:橋本健
広報担当:IDEO

藤原 菜々花ラジオNIKKEIのアナウンサー。担当番組:「中央競馬実況中継」「ななかもしか発見伝!」「こだわり羽生結弦セットリスト」等
