レースで勝つことが一番の心の安定剤。誰よりも同期には負けたくない。

21世紀生まれの騎手として初GI制覇
藤原菅原騎手は昨年、ブローザホーンで宝塚記念を制覇なさいました。21世紀生まれの騎手として初のGI制覇だったわけですが、レースを振り返っていかがですか?
菅原勝てて嬉しかったというか、ホッとした。安心した。という感じでしたね。
藤原スタートから後方で運びましたが、1コーナーから向正面までは、どんなお気持ちでしたか?
菅原外を追走していたので、もう1列内に入りたいなとは思っていました。それと、前が人気馬のローシャムパークだったので、まずはこの馬について行こうと。
藤原そのローシャムパークは、1,000mあたりで上がっていきましたね。
菅原そうですね。深追いせずに、自分の馬もじわ~っと上がっていければと考えました。手応えは良かったので、楽に動いて行けましたね。
藤原直線は外ラチいっぱいのところを伸びてきました!
菅原乗っている時は、あんなに外に出している感覚ではなかったんですけどね。他の馬も外に行きましたから、さらにその外になりました。だから、わざと、あの場所を狙ったわけじゃないんです。
藤原勝てると確信したのはどのタイミングですか?
菅原全頭を交わして、先頭に立ってからです。「これは、勝てるかも!」って。

競馬学校での生活
藤原ご自身にとって、初のGI制覇となりました。勝った瞬間はホッとしたとのことでしたが?
菅原そうですね。安心したという気持ちの方が強かったですね。GIに乗る機会が増えてきて、何度もチャンスをもらっていましたし、ここで勝ってアピールしないといけないと思っていましたから。
藤原それだけ、プレッシャーがかかっていたんですね。
菅原ジョッキーになったら、誰だってGIは勝ちたいですからね。それに、乗っていた馬がGIII、GIIを勝っていけば、次はGI参戦だって考えます。勝てば勝つほど、周囲からの期待は高くなりますしね。
藤原同期の中では、団野大成騎手の23年、高松宮記念に次ぐGI制覇でした。同期のみなさんは、仲が良いんですか?
菅原仲は良いですよ。重賞で活躍している人もたくさんいますし。
藤原競馬学校での生活はいかがでしたか?
菅原行事がたくさんありましたね。地方の競馬学校である地方競馬教養センターや、競輪学校に行きました。他の公営競技の学校を見られたのは、良い経験でした。普段は騎乗や座学授業を受けていて、試験が結構あるんですけど、レベルの高い期だったので、僕の順位は下のほうでしたね。
藤原菅原さんの35期は他にも岩田望来騎手、斎藤新騎手がいましたね。
菅原そうですね。自分なりに頑張らなくちゃと思っていました。その努力も同期がいてくれたおかげですね。良い期だったなと思います。

誰よりも同期には負けたくない
藤原成績の順位が常に出る環境で、みんなで切磋琢磨していったんですね。デビューした今、同期の活躍は気になりますか。
菅原もちろんです。誰よりも同期には負けたくない!という気持ちがあります。それに同期が重賞を勝てばうれしいですし、何より刺激になります。良いライバルですね。
藤原ご自身がGIを勝ったことで、何か変化はありますか?
菅原特にないんです。でも、僕自身が変わらなくても、周囲の目は変わっていくのだろうと思います。だから、馬だけでなく、僕自身もレベルアップしないと!という気持ちが強くなりました。
藤原さらなる努力ですね。そのモチベーションは、どう維持しているんでしょう。
菅原勝つことですね。勝負ごとなので、気持ちが落ちることも当然あります。さらに、騎手は休みの少ない仕事です。火曜から金曜まで調教や追い切りがあって、土日は競馬。月曜がお休みなんですが、落ち込んだ時に、その1日で気分を変えるって難しいですよね。だから僕の場合は、レースで勝つことが一番の心の安定剤になっています。だから、ひたすら乗るしかないと思っています。
藤原今は、競馬で頑張ることが一番なんですね。

構成:スポーツ報知 志賀浩子
Photograher:山口比佐夫
広報担当:IDEO

藤原 菜々花ラジオNIKKEIのアナウンサー。担当番組:「中央競馬実況中継」「ななかもしか発見伝!」「こだわり羽生結弦セットリスト」等
