騎手を目指す若者たち必見!未来のダービージョッキーを目指す若者達の学びの場に大接近!
直線を時速70kmものスピードで走り抜ける競走馬。
それをコントロールし、勝利に導くのがジョッキーのお仕事です。
そんな華やかな世界に憧れ、日本中央競馬会競馬学校(千葉県白井市)に入学してきた騎手課程生たち。
ここで3年間、未来のダービージョッキーを目指し沢山の事を学んでいきます。今回は、そんな若者達に大接近。
後半は生徒さんたちに実施したアンケートをもとに、担当教官へ彼らの疑問や悩みを伝えちゃいます。これから騎手を目指す若者たち必見です!

競馬の仕事に携わるようになって5年になりますが、競馬学校へ来るのは初めて。
門から入ってすぐが校舎なので、「普通の学校」と変わりないな~という印象。
その風景は、歩を進めるごとに変わっていきます。

校舎を過ぎて、スタンドの階段を登ると、ドーン!
目の前に、大きなトラックが広がっています。
この騎乗訓練用の、1周1,400mの走路が競馬学校一番の特徴ですね。

この日のコースでは、卒業を控えた騎手課程の41期生が馬上で訓練を行っていました。
見ていると、みんなの動きがバラバラ。中にはゲートの回りをクルクル回っている生徒さんがいました。
この生徒さんに訓練後、何をしていたのかを聞いてみると…。

「あまりゲートの入りが良くない馬なので、ゲートを見せて教えていました。
また、歩様が硬くて、後脚の踏み込みが弱かったので、しっかり踏み込んで歩き、体全体を動かして、歩かせました」
とのこと。
この日は、個人運動の時間が取られていて、それまでは生徒が自分で考えたメニューをこなしていました。

走路での練習が始まると、教官から無線を通じて檄が飛びます。
生徒たちの装着するインカムに、トランシーバーでペースや騎乗姿勢などの指示を出しています。
この時、コースに出て生徒を指導していたのは横山賀一教官。
横山典弘騎手のお兄さんで、ご自身も騎手として活躍していました。
さらに、競馬学校には騎手課程の専任教官として、坂本勝美教官、小林淳一教官、武士沢友治教官と4人の元騎手の方たちが、ご自身の経験を生かして実戦的な指導にあたっています。
生徒たちの1日のスケジュールは、5時に起床し5時30分から厩舎作業。
それが終わると朝食をとって7時30分から馬場で実技訓練です。
12時の昼食を終えると、
今度は教室での座学やフィジカルトレーニングの授業。
まさに、馬一色の生活です。

午前中の実技訓練の合間に、生徒さん達に学校生活について聞いてみました。洗い場で丁寧に馬の手入れをしているのは、女性騎手課程生。
彼女に入学してから役立った授業は何ですか?と質問すると、
「騎手は体を使う仕事なので、毎週1、2回あるフィジカルトレーニングがためになりました。あとは、柔道の授業ですね。
落馬した時、うまく受け身がとれないと、大きな怪我をしてしまう事もありますから。
体を動かすことが好きなので、どちらの授業も楽しいです。
そのほかにも、筋トレなどの自主トレをしています」
取材に行く前は、とにかく厳しいところというイメージが強かったのですが、生徒さんたち同士の仲はよく、助け合いながら切磋琢磨していました。それに、楽しいことも、たくさんあるようですよ。

1年生の8月にあるサマーキャンプを楽しかったと話してくれる課程生がいました。「2泊3日で那須に行きました。
那須ハイランドパークに行ったり、夜はバーベキューをしたり。
もともと仲のいい41期なんですが、より仲良くなったように感じました」と絆を深める機会になったとのことです。

さて、そんな騎手の卵たちをサポートする態勢もJRAでは整えています。
そのひとつが、「JRAジュニアユース」です。
中山競馬場をはじめとした、全国のJRAの競馬場、馬事公苑、東西のトレーニングセンター、日高育成牧場が活動の場で、早期人材育成を目的としています。
毎年、12月頃に応募要項が、JRAの公式サイトで発表されます。
また、「K★members'」になると、騎手課程受験に向けての情報などが、メールで送られてきます。
こちらの登録手続きも、中学2年生以下なら、誰でも公式サイト上で可能です。定期的に、会員限定の競馬学校実技見学&フィジカルトレーニング&木馬体験ツアーなどが開催されています。
中山競馬場でも
『元騎手の競馬学校教官と行く!騎手の仕事場見学ツアーin中山競馬場』
を開催したりしています。
学校生活のイメージをつかむ為にも、これらの制度を使ってみてはいかがでしょうか?

構成:スポーツ報知 志賀浩子
Photograher:山口比佐夫
広報担当:IDEO

藤原 菜々花ラジオNIKKEIのアナウンサー。担当番組:「中央競馬実況中継」「ななかもしか発見伝!」「こだわり羽生結弦セットリスト」等
