きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

本気を出した横綱

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先週行われた阪神大賞典は、白い馬体が悠々と先頭を駆け抜け凱歌をあげたレースとなりました。
ゴールドシップが4コーナー手前から早め仕掛けて逃げるスズカデヴィアスを交わして先頭に立ち、最後は猛追するデニムアンドルビーに1馬身1/4差、さらに3着のラストインパクトとはそれから3馬身差を広げての勝利となりました。直線で抜けだしてからは後続を寄せ付けず、圧巻の横綱相撲でした。

ゴールドシップは昨年の宝塚記念以来の勝利で、阪神大賞典は2013年から数えて3年連続の優勝です。阪神大賞典3連覇はレース史上初になり、また他の重賞レースに広げてみても同一平地重賞3連覇はグレード制導入以降、今回のゴールドシップ含めてわずか5頭目だけの快挙なります。ゴールドシップは今回の勝利で重賞10勝目。これはディープインパクトなどに肩を並べる歴代4位タイの記録です。これだけの馬にもかかわらず、今年緒戦だったアメリカジョッキークラブカップでは「あらら。どうしたの?」というくらいにあっさり敗れたり、得意の長距離と思われていた天皇賞(春)でも過去いいところなく終わってしまったりと、本気を出して走っているのか気分がまったく乗らないのか、ゴールドシップは気持ちのつかみどころが難しい感じの馬です。

ゴールドシップで思い出すのはやはり3歳皐月賞での走りです。あの凄みのある走りこそがゴールドシップ、そう今でも強く印象に残ります。菊花賞での走りから京都の長丁場でも苦にはしないはずなのですが、天皇賞(春)では2年連続同世代のフェノーメノに盾を持って行かれています。

そのフェノーメノは、天皇賞(春)3連覇を目指して今週の日経賞に登場します。
ゴールドシップの次走はまだ流動的なようですが、三たび盾の舞台でフェノーメノとゴールドシップの激突を見たい、そんな思いもします。

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